リアルドラゴン桜プロジェクト

自由ヶ丘学園高校

Vol01
2021.5.20
勉強とは本来楽しいもの
そして社会に出てからも役に立つ

5月20日、自由ヶ丘学園高等学校の2021年度リアルドラゴン桜プロジェクトがはじまりました。これから1年間、12回のリアルドラゴン桜授業が開催されます。この日参加したのは、約100名の1年生。生徒たちは東大生の講師からどのような刺激を受け、何を学んでいくのでしょう? さっそく、初回授業の様子をお伝えします。

みなさんの積極性は
とても素晴らしい

この日の東大生講師は、4年生の西岡さんと2年生の永田さんです。西岡講師が挨拶をすると、生徒たちも大きな声で元気よく挨拶をし、盛大な拍手もおこりました。初回の授業で緊張している雰囲気はなく、むしろこの授業を待ち望み、楽しみにしていたといった様子です。

西岡講師は驚きながら、こう語りはじめました。

「みなさん、とても元気が良くて驚きました。ありがとうございます。みなさんのような積極的な姿勢は、勉強をする上でとても重要です。英語では“授業を受ける”ことを“take a class”と言います。自分から積極的に情報を“取りに行く”ことが大切なのです。東大では、授業が終わると質問をする学生が教授の前に並びます。積極的にわからないことを聞きに行くのです。皆さんは、それと同じだと感じました。みなさんの積極的な姿勢は本当に素晴らしいと思うので、ぜひこれからも継続してください」。

西岡講師は生徒の積極性を褒め、さらにその積極性を活かすためのツールを紹介しました。東大の授業でも使われている、オープンチャットができるオンラインツールです。生徒は質問や返答を随時気軽にすることができ、講師は瞬時に意見を把握することができるため、より効率的に授業を進めることができるのです。生徒たちはさっそくこのツールを利用する準備を始め、設定が終わると永田講師がこう語りかけました。

「僕は昨年東大に入りましたが、突然リモートでの授業が始まりました。高校生の時にはそのような経験がなく、とても戸惑い、慣れるのに時間がかかったことを覚えています。このオンラインツールも、多くの大学で使われているものです。将来のためにも、ITツールには今のうちから慣れ親しんでおくことをお勧めします。ぜひ積極的に、このツールも使いこなしてください」。

みなさんの未来を広げる
お手伝いをしたい

授業の準備が整うと、西岡講師は生徒たちにこう問いかけました。

「みなさんは勉強が好きですか?」。

生徒たちは、さっそくオンラインツールで回答していきます。好きと答えた生徒はあまり多くはありません。西岡講師は、こう続けました。

「そうですよね。その気持はよくわかります。100人の東大生に“現在、勉強が好きですか?”と聞いたアンケート結果は、好きだと答えた人が73%でした。ところが“高校1年生の時に勉強が好きでしたか?”と聞くと、70%の人が嫌いだったと答えたのです。東大生でも、最初から勉強が好きな人は少なかった。しかし受験勉強と大学で勉強をするうちに、結果が逆転したのです。ここが大事なポイントです。勉強は、実は楽しいものなのだということを、東大生は知っているのです。僕は1年間の授業を通じて、勉強の楽しさをお伝えしていきたいと思います」。

もう一つこのリアルドラゴン桜授業で伝えたいことがあると、西岡講師は語りました。

「“今の成績がどのようなものでも、自分が行きたい大学に行ける”ということも、みなさんにお伝えしたいのです。なぜそう言えるのかというと、僕が東大に合格できたからです。僕の成績は、高校3年生の春に受けた模試で偏差値が35でした。英語は3点で、偏差値は26でした。それでも、2浪はしましたが東大に合格しました。勉強が楽しくなり、正しい勉強法で努力を続ければ、夢はかなうのです」。

永田講師も中学・高校では野球に夢中で、受験勉強をはじめたのは高3からだったそうです。西岡講師はこのようにまとめました。

「みなさんは自分の夢を諦めていませんか?夢は実現できるのだということを、僕はみなさんに伝えたい。リアルドラゴン桜プロジェクトは、みなさんが行きたい大学に合格できるように、みなさんの未来を広げるお手伝いをするプロジェクトなのです」。

実際に努力を続けて東大合格をつかみ取った2人の講師の話を聞き、生徒たちの表情はきりりと引き締まったように見えました。

勉強は楽しいものだと
実感してほしい

いよいよ本題です。まずは、これまで話してきた“勉強は楽しい”ものだということを体験することから始まりました。西岡講師は問題を投影し、オンラインツールで答えた後に周囲と意見を交換するよう生徒に言いました。

問題は、日本国内の4地点における時刻表が示され、それぞれ
・成田空港の国際線
・東京郊外の住宅団地のバス停
・人口10万人の地方都市駅前のバス停
・人口5000人の山間部のバス停
の、どれかを答えるというものです。

生徒たちはさっそく自分で考えはじめました。オンラインで回答したあとは、とても活発に意見交換を行いました。生徒たちの意見で多かったのが、『国際線と山間部のバス停の時刻表はわかったが、東京郊外と人口10万人の都市の違いがわかりにくい』というものでした。

西岡講師はこう解説しました。

「この問題は、人口・立地・飛行機かバスかの違いを、時刻表の特徴をとらえて考えることができれば、それぞれの時刻表を知らなくても正解できます。例えば10万人の都市を知っていますか? 世田谷区は95万人 高松市は42万人 小松市で10万人です。思ったよりも10万人の都市は地方にあると思いませんか? そうすると、東京郊外の都市は10万人の都市より人口が多い。また、東京郊外から東京に通勤する人が多い。つまり、朝晩の本数が多いものが東京郊外の時刻表だと推測できるのです。実はこれ、東大の入試問題です。正解した人は、東大の問題が解けたということです。拍手!」。

東大の入試問題だと聞いた生徒はみな驚き、正解した生徒は喜んでいます。

「この問題のように、東大をはじめとした国立大学が問うのは、知識を前提とした上での思考力です。想像よりも、身近な問題だと思いませんか? そもそも勉強とは、身の回りのことを知るためにするものです。そして学べば学ぶほど、世の中のことが理解できるようになります。僕たちが何気なく見ている時刻表からも、学ぶことはできます。そう考えると、勉強は楽しくないですか?」。

この解説に、多くの生徒が小さくうなずいていました。

勉強は、日常生活でも役に立つ

いよいよこの日の授業も終盤に入りました。西岡講師はこう語ります。

「次に、勉強は楽しいだけでなく、役に立つということをお話しします。また問題を出します。みなさんが飲んでいる牛乳は、どこで作られたものでしょう? よくある答えは北海道ですが、これは間違い。正解は神奈川・千葉・群馬などです。その理由は、牛乳の賞味期限が短いからです。北海道から関東まで、液体の牛乳を大量に空輸することは難しい。鉄道やトラックで輸送しても時間がかかる。だから北海道のものを持ってくるのではなく、首都圏の近くで作り輸送します。これは近郊農業と呼ばれ、小学校で習う内容です。近郊農業と毎日飲む牛乳を結びつけて考えることができれば、こうした日常の出来事に対する理解も深まります」。

理系の永田講師は、日常生活で数学が役に立つ例をあげました。

「実は暗算がすばやくできるだけでも、とても役に立ちます。たとえばシャンプー。よく詰め替え用のものが売られていますが、あれは容器に入ったものよりお得な印象がありますよね? しかし100グラムあたりの金額で計算すると、実は割高なこともよくあるのです。環境への影響を考慮しなければ、印象で判断せずに100グラム単位で計算することをおすすめします。数学を勉強したことで、僕はお得に生活ができているかもしれません(笑)」。

その後もさまざまな事例をもとに、勉強がどのように役に立つのかが紹介されました。日常生活で役に立つだけでなく、社会に出てからも役に立つことが強調され、西岡講師はこうまとめました。

「今日お伝えしたいことを、再度まとめます。勉強は社会を知るためにするもので、面白い。そして勉強したことは、日常生活や社会に出てからも役に立つ。だから無駄ではないことを覚えておいてください」。

生徒たちは大きくうなずいています。西岡講師の言いたかったことが、実感できた様子でした。

最後に、この日の授業に対する生徒の感想をご紹介しましょう。
・東大生が自分の体験をもとに話してくれるので説得力があり、話の内容を受け入れやすかったです。
・勉強と日常生活は別なものだと思っていたので、目からウロコが落ちました。帰りに牛乳の産地を調べてみます。
・今日の話は、知っている人と知らない人の差がとても大きくなると感じました。1年生の早い時期に、有意義な時間を作ってもらい感謝しています。

積極的で前向きな感想が並びました。これからの1年間の成長が楽しみです。

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