リアルドラゴン桜プロジェクト

自由ヶ丘学園高校

Vol03
2022.8.2
10年間の教育改革を経て決断した、2023年度からの共学化

自由ヶ丘学園高等学校は、来年(2023年度)から男女共学になります。1930年に創立され、90年を超える歴史を持つ同校は、なぜこのタイミングで共学化に踏み切ったのでしょう? 共学化を決断した背景や想いを、田中校長先生に聞きました。

共学化を決断した背景

Q:共学化を決断するに至った、背景・理由を教えて下さい

田中校長先生:本校は約10年前から、教育改革を進めてきました。そのきっかけは、“これからの時代を生き抜くために必要な学び”が、日本で一般的におこなわれてきた教育と比べて、少し距離が出来ているのではないかと感じたからです。

社会はグローバル化や技術革新が急速に進み、世界規模で変化する時代を迎えています。そこで本校も、時代の流れに適応し、活躍できる人材の育成を目指して、教育改革による新しい学びを推進することにしました。

これまでの日本の教育は、“教える”という教育でした。一方で、世界で重要視される教育は、大きく変わってきています。その流れの中で、本校の教育をティーチングからコーチングに転換し、受け身の授業ではなく、主体的・能動的なものへと大きく変化させました。

具体的にはSTEAM教育やILA国際教養などの新しい学びにより、世界の人々と協働しながら新しい価値を提供する、あるいは、時代が複雑になっている中でバランスを取り、問題解決をする力、そして先を見て責任を取れるような力がつく教育改革を進めてきました。

こうした教育改革を進め、ある程度形になった時に、“さらに広い視野で考えることが出来る教育はできないだろうか”と考えました。その結論が、“もはや性別は関係ない”というものでした。教育改革を進める中で、次のステップへ進むためには、共学化がどうしても必要だったのです。

共学化で変えること、変えないこと

Q:共学化により、変えたいことと、変えないことは何ですか?

田中校長先生:本校は設立して90年を超える歴史があります。その間、引き継がれてきた“人に親しまれ信頼される人間になれ”という校訓は、これからも変わりません。

また、本校の基本的な教育理念である“信頼と友情”も、変わりません。

一方で、共学化にあたり、新しい学びに求められる“自立と共創”をテーマに加えました。

わかりやすい例でお話しましょう。本校では、推奨通学路はあるものの、どこを通ろうが自由です。登下校時にコンビニに行くのも自由です。これは、自分で考え、判断し、行動できる人になって欲しいからです。何か問題が起きれば、自分たちで考えてもらいます。これが変化する点です。

キーワードはセレクト・エンジョイ・トライです。私はいつも、生徒に「自分で考え、意思決定してください」と、言っています。

まず、“セレクト”です。本校には7つのコースがあり、受験の時にはその中から自分が興味のあるコースを選ぶことになります。入学前から自分で考える必要があるのです。入学が決まると、制服を自分で選ぶことになります。基本の制服に加えるアイテムは、自分で選ぶのです。入学時から、そのような機会を設けています。

次に、“エンジョイ”です。新しい学びを提供するのが、本校の特色です。新しい学びは楽しい。部活も楽しい。友人との学校生活も楽しい。毎日の学校生活を、存分に楽しんで欲しいと思っています。

最後に、“トライ”です。大学受験でも、ぜひベストを尽くして挑戦して欲しい。教育改革を始めてから、挑戦する生徒が増えています。これは、とても嬉しいことです。時には失敗することがあるかも知れません。しかしその経験は、人生の中でかならず活きてくると信じています。

受け入れ準備と説明会の反響

Q:共学化に向けて、どのような準備を進めてきましたか?

田中校長先生:最初は、環境整備に着手しました。女子生徒用のお手洗いやロッカーは3ヶ所に作り、完成済みです。設計もデザインも、全て違います。一人ひとりに個性があり、違うことを尊重するというメッセージです。ちなみに同じ理由で、校舎も棟ごとにデザインが違います。

その他にも、女子生徒専用の保健室を作りましたし、ダンス部など、部活も新設します。部員が使うコンディショニングセンターには、女性トレーナーも配属される予定です。

とにかく、女子生徒が不安に思うことは、できる限り対応をするつもりです。その意味で、もっとも大きな変更は、セキュリティーの強化です。安心・安全の確保は、大前提ですので。

洗練されたデザインの女子トイレ

異なるデザインの女子トイレ

Q:女子生徒向けの説明会の反響は、どうでしたか?

田中校長先生:私たちが驚くほど、好評でした。いまご紹介した学校の施設を見て、とても綺麗だという声をたくさんいただきました。これは、とても嬉しいことです。しかしこれは、ただの施設にしか過ぎません。

それよりも本校の理念や教育方針、そして先生が本気で生徒と向き合っている点に高い評価が集まったことが、私は何よりも嬉しく思いました。教育は突き詰めると、結局は人なのです。

また、男女で入学定員を決めていない点も好評でした。入試は平等です。ここは、ぜひ強調したい点です。

Q:最後に、来年度の入学を考えている女子生徒と保護者に、メッセージをお願いします

田中校長先生:本校はこれまで男子校だったので、荒々しい生徒が多いというイメージを持つ人もいるかと思います。しかし、もともと本校は、そのような校風ではありません。これは自由が丘という立地が関係しているのかも知れません。生徒はみな優しく、穏やかです。ですので、安心してください。学校説明会に参加し、男子生徒の様子を見ていただければ納得できると思います。

また、共学化の一期生で女子の先輩がいないことを不安に思う人もいるかと思います。正直に申し上げると、私たちにも不安はあります。万全の準備をしたつもりですが、至らない点があるかもしれません。しかし、私はお約束します。皆さんのことを大切にしますし、問題があれば、全力で解決します。ですので、安心していただきたいと思います。

自由ヶ丘学園高等学校が共学化の決断をした背景には、時代の流れに適応し、世界で活躍できる人材の育成を目指してきた教育改革の一環であることがわかりました。同校の教育方針に興味を持った方は、学校説明会への参加をおすすめします。最新情報は、学校ホームページでご確認ください。

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