リアルドラゴン桜プロジェクト

日本大学櫻丘高等学校

Vol 04
2019.7.8
4人の東大生から学んだ、やり切ることの大切さ

7月上旬のある日。東大の赤門前に、日大櫻丘高校の生徒たちが集まりました。この日は東大を実際に見学し、その後リクルートの本社で東大生と自由に質疑応答が出来るというリアルドラゴン桜プロジェクトの特別授業が開催されました。集まったのは特別進学(S)クラスの1年生31名。まずは西岡コーチによる東大見学からスタートしました。生徒たちは東大で何を感じ、東大生から何を学ぶことができるのでしょうか。

東大は想像よりはるかに広く
歴史と重みを感じる場所だった

赤門から東大の敷地に入った生徒たちは、西岡コーチの案内で東大構内を見学しました。広大な敷地を隅々まで見学したあとは、東大生協の学食で昼食をとります。一番人気は赤門ラーメンとカレー。食事中の参加生徒に感想を聞きました。
「思ったよりも広く、都心なのに池や緑が多かったのが想像と違いました」
「建物に歴史を感じました。古い建物が多く、ここで日本を動かす人が生まれてきた重みを実感しました」
「西岡コーチの書籍が特集コーナーで売られていて、すごさがわかりました(笑)」
「学食が思ったよりきれい!」
といった、さまざまな声を聴くことが出来ました。

西岡コーチは東大見学の意義について、「現代はスマホなどの端末で情報をすぐに取得することができます。しかし、実際に自分の目で見て感じることが大切なのです。敷地内を歩く東大生や建物から、何かを感じ取ってほしい。自分の体験は、端末からは得ることが出来ない貴重なものですから。そして、いつも言っているようにその感じた内容を『アウトプット』し、共有してほしいのです」と語ってくれました。

その後、生徒たちはリクルートの本社へ移動しました。ここでは西岡コーチを含む、4人の東大生との座談会が開かれます。西岡コーチはこのように語りはじめました。「先ほど見学した東大に通っている、現役東大生が3人来てくれています。これからの時間は、何を質問しても結構です。みなさんが聞きたいと思うことを、自由に聞いてください。前回の授業で『Take』が大切だと言いました。積極的に、自分のためになるように時間を使ってくださいね」。生徒たちはどのような質問をし、東大生たちはどのようなアドバイスをするのでしょうか。

経済学部4年 西岡コーチ
「将来は新しい椅子をつくりたい」

座談会は生徒が4グループに分かれ、東大生が各グループをまわる形でおこなわれました。この様子をお伝えしましょう。「将来は何をしたいですか?」と問われた西岡コーチは、「たぶん起業します。前にお話しした通り、将来は49%の仕事がAIに変わってしまうと言われています。だから社会は椅子取りゲームで、みんな良い椅子をとろうとがんばっています。でも僕は、それだけでは意味がないと思うのです。新しい椅子を作る人間になりたい。新しい仕事や価値を、生み出す人間になりたいと思っています。みなさんも将来の選択で迷ったら、新しい椅子を作る仕事や、新しい椅子を作る人を応援する仕事につくと良いと僕は思います」と丁寧に答えてくれました。

法学部4年 正司貫統さん
「苦手科目の克服は基礎からやり直す」

続いては、正司貫統さん。東京大学法学部4年生で、ちょうど就職活動が終わったばかりだそうです。生徒からは「苦手科目を克服するための勉強法を教えてください」と、具体的な質問が投げかけられました。正司さんは「僕は文系なのですが、物理が苦手でした。中間テストで100点満点中26点を取った時に、さすがに焦りましたね。僕は、ものすごく基礎から勉強をやり直しました。中一のレベルからやり直したのですが、そうすることである時から成績が上がるようになったのです。みんな、苦手科目はあると思います。多くの場合、基礎がだめでひっかかっているんですよ。だからいま勉強しているところをどれだけ勉強しても、基礎が出来ていないから伸びないのです。絶対にお勧めなのは、とにかく基礎に戻る事。中途半端に戻ったらだめですよ。みなさんは高校1年生なのだから、中学まで戻って勉強をやり直すべきです。これはどの科目にも有効です。とても遠回りに見えて、実は一番の近道なのです」と、とても具体的に体験を交えてアドバイスをしてくれました。

教育学部3年 増子彩夏さん
「ひとつの参考書を徹底的に繰り返す」

続いて教育学部3年生の増子彩夏さんが来てくれました。高いモチベーションを維持する方法を見つけ出して、母校初の東大生となったそうです。生徒からは「お勧めの勉強法を教えてください!」と、勉強方法に関する質問が出ました。増子さんは「不安だからと、次々と新しい参考書に手を出してはダメ。私が使っていた参考書の一覧がこれです。どの科目も一冊か二冊でしょ? これを徹底的にやるのがおすすめです。たとえば英単語。この一冊を私は20回くらいやりました。最初から完璧に覚えようとするのではなくて、まず1回最初から最後までやる。そうすると、私の場合は20%くらい覚えていて、覚えていないものがほとんどということがわかります。そして2回目、3回目と覚えていないものをくりかえしやっていくのです。これを15回から20回くらい繰り返してやり切ると、ちゃんと覚えられます。あれこれやるよりも、一冊を完璧に覚えることをおすすめしますよ」と、自分が当時使っていた参考書の一覧を使って説明してくれました。

理科3類1年 山本赳久さん
「合格のための必勝法は、ありません」

最後に登場したのが理科3類1年生の山本赳久さんです。なんと5浪の末に東大最難関の理科3類に合格し、浪人中は予備校・宅浪・仮面浪人も経験したという経験豊富な東大生です。生徒からは「理3合格の必勝法を教えてください」との質問が出ました。山本さんはこう答えてくれました「そんなものがあって知っていたら、五浪もしてないです(笑)。あるとすれば、必勝法がないということを知ることでしょうか。受験は上から何人目までが合格するというシステム。だから、本番は自分と他の受験生との戦いです。でも、その順位を上げるのは自分の努力でしかない。だから自分に合った勉強法を見つけて、努力を続けて、自分が成長することが大切なのです。本番は他人との戦い。でもその過程は自分との戦いだということをわかってほしいです」。豊富な経験によって得られた本質的なアドバイスに、生徒たちは大きくうなずいていました。

こうして座談会が終了しました。各グループを代表する生徒が感想を発表します。「どの東大生も、徹底的に勉強をやり切っていることが分かりました。自分も徹底することを心がけます」「参考書はあれこれ手を出さずに、一冊を徹底的にやるというアドバイスを実行したいです」「苦手科目の克服は、とことん基礎まで戻ってやるという話が参考になりました。私も一からやり直します」などと、多くの前向きな声を聞くことが出来ました。

最後に武内先生からも感想が語られました。「本日は4人の東大生から貴重な話を直接聞かせていただくことができ、感謝申し上げます。参考書の選び方や勉強方法など、多くの具体的なアドバイスをいただくことができました。生徒たちもしっかりと質問し、『Take』できていたと思います。これから『アウトプット』も実践し、助言やアドバイスを実行してほしいと思います」。こうして貴重な経験を得ることができた一日が終わりました。最後にセミナールームがあるグラントウキョウサウスタワーの31階から、東京の街を眺める生徒たち。東大と東大生から感じ学んだことを、この先きっと活かしていくのではないでしょうか。