リアルドラゴン桜プロジェクト

日本大学櫻丘高等学校

Vol01
2021.5.1
勉強をするのは何のため?
自分が納得できる答えを見つけよう

5月1日、日本大学櫻丘高等学校で2021年度のリアルドラゴン桜プロジェクトがはじまりました。参加するのは、日本大学難関学部・学科(医・獣医)・国公立大学・最難関私立大学への進学をめざす、特別進学(S)クラス1年生の70名です。生徒たちは東大生の講師から何を感じ、学んでいくのでしょう? これからの1年間、その様子をレポートしていきます。

リアルドラゴン桜プロジェクトとは?

初回のリアルドラゴン桜授業を前に、生徒たちはみな緊張している様子です。この日の講師は、高橋さんと相生さん。2人とも東大法学部の3年生です。高橋講師は、生徒たちにこう語りはじめました。

「ドラゴン桜という漫画を読んだ人はいますか?」。

多くの生徒の手が上がります。

「この漫画は、偏差値30から50の高校生が東大を目指す話です。これからの1年間、リアルドラゴン桜授業では、この漫画でも描かれている勉強方法などをお伝えしていきます。ただ、単に勉強方法を学ぶだけではありません。僕たちと一緒にこのプロジェクトに向き合えば、勉強することに納得ができて、前のめりに楽しく勉強ができるようになります」。

高橋講師は岩手県出身で、偏差値が50前半の高校に通っていました。高校1年生の時点では、東大は雲の上の遠い存在だったそうです。

「勉強が楽しくないとか、勉強しても成績が上がらないといった経験を僕もしてきました。ドラゴン桜の漫画で登場する生徒と同じです。だからこそ、みなさんの悩みがよくわかります。これからお伝えする話の中には、そんな僕が共感できる内容がたくさん入っています。単なる理想論だけを話す授業ではないので、安心してください」。

もうひとりの相生講師は、香川県の出身です。地方都市なので都会と比べると恵まれない学習環境の中、独自の勉強方法を考えて実践し、東大に合格しました。東大模試で全国1位をとったこともあるそうです。

生徒たちからは驚きの声が上がり、緊張した表情は期待に満ちたものへと変わりました。

勉強をする理由

続いて高橋講師は、こう語りかけます。

「今後、具体的な科目別の勉強法をお伝えしていきます。ただ、その前に『そもそもなぜ勉強をするのか』を考えましょう。なぜなら、受験勉強の努力を持続するために、もっとも大切なものだからです。たとえば成績が伸び悩んだり、やる気がおきなくなったりした時に、ぶれない軸があることは重要です」。

「勉強をするのは、大学に合格するためだと答える人は多いと思います。では、どれくらい勉強をしなければならないのでしょう? 東大生へのアンケート結果では、学校以外での勉強時間は4時間でした。しかも、自分が行きたい大学に現役で合格するためには、高1の時から勉強する必要があります。高1で初級、高2で中級、高3で上級の勉強ができるからです。もし高2から初級の勉強を始めると、高3では中級までしか勉強できません」。

高校受験を終えたばかりの生徒たちの表情が、すこし曇りました。

「高校に入学した直後のみなさんにとっては、楽しくない話だと思います。でも、これは事実です。では、前向きな理由も考えてみましょう。良い大学に入れば、年収が上がる可能性が高くなることは事実です。勉強をしてもう1ランク上の大学に入り、給与がもう1ランク高い企業に入ったとします。その生涯賃金の上昇分を勉強時間で割ると、勉強の時給は4万円になるという計算があります。ちなみに現在の東京都の最低時給は1013円です」。

生徒たちから、驚きの声が上がりました。

「すごい結果ですよね。勉強をやる気が出てきましたか?(笑)。でも、勉強をするのはお金のためだけでしょうか? 僕は違うと思います。そもそも、『勉強は面白い』ものなのです」。

高橋講師はこう言うと、実際に東大の入試で出された問題を紹介しました。

日本国内の4地点における時刻表が示され、それぞれ
・成田空港の国際線
・東京郊外の住宅団地
・人口10万人の地方都市駅前
・人口5000人の山間部
の、どれかを答える問題です。

正解にはそれぞれ理由があり、その時刻表を知らなくても、様々な知識をもとに考えれば正解できるものでした。

東大の入試問題を正解して盛り上がる生徒たちに、高橋講師はこう解説します。

「東大をはじめとした国立大学が問うのは、知識を前提とした上での思考力です。このほかにも、次のような問題が出題されています。
・朝焼けは雨で、夕焼けは晴れなのはなぜ?
・シャッター通り商店街が増えているのはなぜ?
・かぼちゃがオーストラリアから輸入されているのはなぜ?
思ったよりも、身近な問題だと思いませんか?

勉強とはそもそも、身の回りのことを知るためにするのです。そして学べば学ぶほど、世の中のことが理解できるようになります。だから知ることは、とても楽しいことなのです」。

続けて高橋講師は、自分の体験談を話しました。

「僕が勉強を取り組んだ理由のひとつは、お世話になった先生や親への恩返しでした。自分の中に『なぜ勉強したいのか?』がないと、毎日4時間の勉強を続けることはできません。いまから自分だけの『勉強する理由』を考えて、ワークシートに書いてください。その後、周囲の人と話し合ってみてください」。

生徒たちは真剣にワークに取りかかり、自分の意見を話し合いました。多くの生徒が『社会に貢献したい』と話しています。

高橋講師は最後にこう語りました。
「自分のためではなく、人のためや社会のためという意見が多く、素晴らしいと思います。ぜひ、今後も自分なりの『勉強をする理由』を考え続けてください」。

勉強は、社会に出てから役に立つ

次のテーマは、『勉強をすると、社会で活躍できる』です。高校や大学で学ぶことは、社会に出てからどのように役に立つのでしょうか? 現在、世界中の人々が大きな影響を受けている新型コロナウイルスの感染拡大を例に、高橋講師の解説がはじまりました。

「先ほどのテーマで勉強をする理由を考えた際、多くの人が『社会に貢献するため』と話してくれました。では、勉強したことが社会でどのように役立つのかを考えてみたいと思います」。

高橋講師は、新型コロナウイルスの感染が拡大している今、世の中に貢献できる職業の例をあげました。

・医師・看護師
・製薬会社の開発
・感染症の専門家
などは直接関係するので、すぐに思いつく例です。

さらに
・技術者:オンラインツールなどの開発
・教師:教育機会の維持
・法律家(官僚・政治家):緊急事態宣言に関する法律の立案
なども、想像がしやすい職業です。

しかし、一見すると関係が薄く思えるような職業はまだまだあります。
・社会学者
・小説家
・経済学者
・地理学者
などです。

「社会学者は、自粛警察や同調圧力への警鐘を鳴らしています。小説家は文学によって自分の世界を広げてくれます。外出自粛が続く生活の中では、一見すると関係なさそうな職業も、とても社会の役に立っていることが理解できると思います」。

高校で学んだ内容を基礎として、大学でさらに深く広く学んだことを活かし、社会に出てから貢献することができる。だから今の勉強は、将来の役に立つのだと高橋講師は強調しました。

いま、何を勉強するべきか?

いよいよ最後のパートです。今日の授業では、勉強の意義について学びました。それでは、高校1年生のいま、何を勉強すればよいのでしょうか。高橋講師は、こう語りました。

「高校1年生の今やるべきなのは、『基礎固め』です。英語は、英単語と英文法が頭に入っていなければ読めません。国語も、漢字と古文単語が必要不可欠です。数学も同じです。思考が重要に思えますが、基本的な問題の解き方や公式を覚えていないと考えることすらできません」。

つまり、すべての科目で基礎の暗記が大切だと言うのです。高1で初級の勉強をするということは、基礎の暗記をすることだと力説しました。では、暗記が苦手な人はどうすればよいのでしょう?

相生講師は、こう語りました。

「安心してください。必ずみなさんにもできます。暗記ができるかどうかは、覚えた回数がすべてだからです。東大生の中には、一度読めば暗記できるという天才的な人もごく少数います。しかし大半の東大生は、そうではありません。覚えるまで、何回も何十回も繰り返して暗記しているだけなのです。通学の電車の中や空いた時間を、どんどん使って暗記すれば大丈夫です」。

高橋講師は、最後にこう語りました。

「ぼくもまったく同じ意見です。単語帳を2~3回やるだけで、暗記が苦手だと思わないでください。何十回もやれば、必ず暗記できます。僕も覚えるのが苦手だったのですが、何十回もやりました。だから安心してください。時間を無駄に使わず、有意義な1年間にしましょう!」。

こうして、第1回のリアルドラゴン桜授業が終わりました。生徒たちにとって、とても貴重な時間となったようです。アンケートの一部を最後にご紹介しましょう。

・勉強の時給がとても高くて驚きました
・東大合格者の平均勉強時間の話が印象的でした
・高1で基礎を勉強することが大切だということを学びました

とても前向きな意見が並びました。これからの1年間の成長が楽しみです。

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