リアルドラゴン桜プロジェクト

学校法人 須賀学園 宇都宮短期大学附属高等学校

Vol 03
2019.6.10
「なぜ?」から始まる成績アップの極意を知ろう

パッとしない梅雨空が広がる6月のある日。外の天気とは打って変わり、相洋高校の教室は、はつらつとした明るい空気に包まれていました。

今日は西岡コーチによる第2回リアルドラゴン桜授業の日。プロジェクトに参加する特進コース2年1組には、東大見学を経てやる気が満ちあふれているように見えます。

この日、生徒たちはどんなことを学んだのでしょうか。そして、西岡コーチ、担任の高木先生から見た今の2年1組とは!?

世界に1つの問題集をつくろう!

5月に行われた第1回リアルドラゴン桜授業で「なぜ勉強するのか」、自分の答えを見つけることの大切さを学んだ生徒たち。ひとり一人が未来を見つめ、さまざまな思いを抱えながら第2回授業にのぞみます。

この日は「前日が模試」というタイミング。「みんな、昨日の模試できた?」という西岡コーチの問いかけには、少し苦笑いしながら首をかしげる生徒の姿もありました。

西岡コーチはいいます。「前に、授業はtakeするものって話したよね? 受け身じゃなくて取りに行くことが大切だって。先生や友達がいうことに疑問をもち、自分の意見を考える。この2つの姿勢が大事なんです」

だけど、質問や感想をもてといわれても、なかなかぱっと出てこないのが正直なところ……。

西岡コーチは続けます。「今、昨日の模試があまりできなかったと思った人たちは、できなかったところを見直した? あと、スタディサプリの到達度テストの結果が戻ってきたでしょ? そこに書かれていたコメントを『きちんと読んだ』って自信もっていえる?」

うなずく生徒、ちょっと自信がなさそうな生徒など、反応はまちまちです。すると西岡コーチはこんなことを話し出しました。「自分が解けなかった問題を深掘りすることは非常に大事。その姿勢をもてば、いろんな道が開けます。そこでおすすめなのが、解けなかった問題をスマホで写真撮ったりしてファイリングすることです。それをコツコツ積み重ねると、どこにも売っていない『自分ができなかった問題集』ができるんです」

自分の弱点を重点的に復習できる、世界に1つの『自分ができなかった問題集』。確かに、そんな問題集があれば効率的に成績を上げることができそうです! 生徒も目からウロコの発想に興味津々で聞き入ります。

「どうして自分ができなかったかを考えるのも、立派な『なぜ』の1つ。そう考えると、『なぜ?』って身のまわりで意外と簡単に見つけられるでしょ?」。西岡コーチはそういって、にっこりと笑いました。

ペリー来航は、なぜ1853年だったのか

「今日の授業で伝えたいのはまさに今の話で、『なぜ』を問う姿勢、『なぜ』を考える姿勢がいかに大切かを知ってほしいと思っています」

ここで西岡コーチは、歴史に関する問題を出しました。「1853年ペリー来航。これはみんな知ってるよね。では、なぜ1853年だったと思う? なぜ、フランス人でもイギリス人でもなく、アメリカ人のペリーが来たと思う?」

1853年にペリーがやってきて日本が鎖国を解いたことは暗記していても、いざそう聞かれると即答できない生徒がほとんどです。

「すべてのことは原因と結果でできています。この場合、ペリー来航は結果で、そこには必ず原因が存在する。それを知るヒントは、『1853年前後にどんなことが起きていたか』にあります。何があったかスマホで調べていいから、考えてみてください」。生徒はすぐさま、1853年前後の歴史を調べて友達と相談しながら思考をめぐらします。

5分後に意見発表の場が設けられると、「日本を船の燃料供給地にしたかったのではないか」「1853年はフランスやイギリスがロシアと戦ったクリミア戦争が始まっている。だからフランスやイギリスは戦争で手一杯で、日本に来れなかったのでは」などなど、何人もの生徒が自分の考えを発言していきました。

「みんなすごいね! これ、原因は1つじゃないから、みんな合ってるよ」。西岡コーチは笑顔でそういうと、当時の世界の動きを取り上げながら、1853年にアメリカ人のペリーが来航したさまざまな「原因」を解説しました。

「今、例に挙げた『1853年ペリー来航』のように、暗記は勉強に欠かせません。そして暗記した事柄を忘れないためには、深掘りして原因や意味~つまり本質を知ることが大切。数式もそう。例えば円周の計算式も、円周率って何なのか、何で3.1415なのかを考えて本質を理解すれば、『あれ? 2乗するんだっけ?』とか迷わなくなります」

「素直」「ひたむき」を武器に、さらなる進化を

その後も西岡コーチはクイズ形式でいくつかの例を挙げながら、「覚えたこと」の「つながり」を意識する大切さを伝えます。そして生徒はその都度真剣に考え、活発に意見交換していきます。

「みんな、いろいろな意見をありがとう。今日僕はたくさんしゃべったけど、いいたいことは『なぜ? を問う。つながりを意識する。原因と結果を考える』の3つだけ。そうやって本質を理解していけば覚えたことを忘れずにすみ、勉強がぐっと効率的になるはずです」

全科目に共通する重要なヒントを伝授され、どの生徒も充実した面持ちでこの日の授業を終えました。

そんな2年1組の今の姿は、西岡コーチの目にどう映っているのでしょうか。

「とても素直ですよね」。開口一番そういうと、「ひたむきな生徒さんが多いと思います。僕らが伝えることをストレートに咀嚼して、明日に活かそうとしている姿勢が見て取れるんです。授業中の目線とかちょっとした反応から、すごくそう感じます」と西岡コーチ。「回を重ねるごとに意識が高くなっているのも伝わってきます。生徒さんに期待? めっちゃしてますよ! 本当に!!」

多くの高校生と接してきた西岡コーチが、大きな期待を寄せる相洋高校2年1組。担任の高木先生も、「リアルドラゴン桜プロジェクトが始動してからの2年1組は、生徒自身の力で今まで以上にいい雰囲気になっています。4月に行われた西岡コーチの講演の翌日から、放課後に自習して帰る生徒が一気に増えました」と、確かな手応えを感じている様子。

「もちろん、生徒によって反応の大小はありますが、『このプロジェクトに夢を託したい』という意思は全生徒から感じます。本人が覚悟を決めてギアを上げられるよう、担任として精一杯サポートしていきます」と、力を込めて話します。

22名の生徒を乗せた“相洋丸”の航海は、まだ道半ば。でも、西岡コーチ、高木先生の頼れる2人に導かれ、進むべき方向への最短距離をしっかり見据えているようです。