リアルドラゴン桜プロジェクト

学校法人 須賀学園 宇都宮短期大学附属高等学校

Vol 06
2019.11.11
西岡コーチインタビュー~
ゴールは、「変われる人」になってくれること

リアルドラゴン桜プロジェクトがスタートして半年余り経つ11月中旬。熱い授業を展開してきた西岡コーチにインタビューする機会を得ることができました。

自分自身、決して平たんではなかった道を歩き、さまざまな舞台で活躍する「今」を手にした西岡コーチ。自らの体験をふまえてのプロジェクトへの想い、そして相洋高校特進コース2年1組の生徒たちへの想いとは?

現在の心境をストレートに話してくださった、西岡コーチとの一問一答をお届けします。

心のどこかにある「あきらめ」を壊したい

──リアルドラゴン桜プロジェクトがスタートして半年余り経ちますが、西岡コーチは、どんな思いでこのプロジェクトに取り組んできましたか?

西岡コーチ:かねてから僕は、現代の教育には「あきらめ」という課題があると感じていました。リアルドラゴン桜プロジェクトは、その「あきらめ」を壊すプロジェクトだと捉えています。

──「あきらめ」とは?

西岡コーチ:生徒さん本人、あるいは先生方や親御さんの頭の片隅にある、「そこそこの大学に行ければいい」というような思いです。今の日本の教育の現場には、そういう「この程度でいい」との思いが、どこかに存在しているケースが少なくないように思うんです。

──その「あきらめ」を、どのように壊すのでしょうか?

西岡コーチ:「あきらめ」を壊すために意識しているのは、「刺激を与える」「勉強する意味を伝える」「正しい勉強法を伝授する」の3つです。

生徒さんと世代が近い東大生とのコミュニケーションや、僕のように偏差値が低かったけれど東大に受かった人間と話すことは、いい刺激になるのではないかと思います。

同時に、勉強する意味を考えるきっかけを提供し、『ドラゴン桜』という漫画作品を使いながら、楽しくて正しい勉強法を伝えていく。

この3つによって、生徒さん一人ひとりの可能性を広げたいと思っています。

受験は自分を変える絶好のチャンス

──リアルドラゴン桜プロジェクトのコーチになろうと思った背景には、ご自身の受験経験が影響していますか?

西岡コーチ:そうですね。なにしろ僕は、あきらめていた人間の代表格ですから(笑)

僕はまだ学生ですが勉強法の本を執筆したり、東龍門のメンバーとして漫画『ドラゴン桜2』に情報を提供したりといった活動をしています。

こうした活動の根底にあるのは、「人は変われること伝えたい」という想い。僕は、受験で変わることができました。その実体験をもって、「変われる」ことの魅力をメッセージしていきたいんです。

──それは、ご自分が「変わってよかった」と思うからですか?

西岡コーチ:もちろんそうです。僕は高校生のとき、学校の先生に「自分を変える最後のチャンスだ」といわれて一念発起し、2浪したけれど東大に入って本当によかったと思う。それがあるから、今こうして、自己実現できているのだと感じます。

──受験は自分を変えるチャンスだと?

西岡コーチ:はい。別に、きっかけが受験じゃなくてもいいとは思います。でも受験は、10代の最後に、それまで勉強してきたことの成果を問われる一大イベント。そんな機会はなかなかないから、受験をいいターニングポイントにしてほしいという気持ちは強いです。

凹んだ時期、あります。2浪をなめないでください(笑)

──これまでのプロジェクトを通して、相洋高校にはどのような印象をもっていますか?

西岡コーチ:まず、先生方のバックアップがとても素晴らしいと思います。

例えば僕の授業があった日は、担任の高木先生が、生徒さんがより深く考える道筋を示すようなコメントで総括してくださる。また、授業後は、学んだことや感じたことを記入するアンケートシートを生徒さんに配り、回収後は先生がきちんとコメントを添えて生徒さんに戻していらっしゃいます。

毎回のこうした動きは強力な後押しになり、ものすごくありがたいです。

特進コース2年1組の担任・高木先生と西岡コーチ

──生徒の印象は?

西岡コーチ:当初から「素直でひたむきな生徒さんが多い」という印象で、それは今も変わりません。

──しかしなかには、納得できる成果を上げられず悩んでいる生徒もいるようです。

西岡コーチ:一般的に勉強は、本気で取り組み始めて、すぐにわかりやすい成果が出るものではないですからね。あえて雑な言い方をすると、「勉強なんてそんなもの」です(笑)

──西岡コーチもそういう時期がありましたか?

西岡コーチ:(力を込めて)もちろんですよー!! 何度もあきらめそうになりました。2浪をなめないでください(笑)

──でも、心が折れずに東大を目指し続けられた理由は?

西岡コーチ:やっぱり、仲間がいたからですね。ここで僕があきらめたら、一緒にがんばろうと励まし合った仲間に悪いな、という思いがすごくあって。

自分のために勉強するのは、実は、モチベーションとしては意外と弱いと思うんです。「あいつもがんばってるから自分もがんばろう」とか、「協力してくれる先生や親が喜んでくれるだろうな」とか……。僕の場合は、そういう絆みたいなものからくる気持ちが、大きな支えになっていました。

このクラスは、仲間のためにがんばることができる

──西岡コーチのお話は、よくおっしゃっている「受験はチーム戦」とリンクしますね。相洋高校特進コース2年1組は、それができると思いますか?

西岡コーチ:できると思います。意見を積極的にシェアしようとする姿勢があるし、ポジティブな生徒さんが多い。何より、とても仲がいい。それはチーム戦で一番大事なことです。

繰り返しになりますが、仲間のためにがんばる気持ちが芽生えると、人間は強い。このクラスは本当にやさしくていい子ばかりなので、絶対にそれができると信じています。

──では、プロジェクトが終了したとき、生徒たちにどうなっていてほしいですか?

西岡コーチ:変われる人になっていてほしいです。

──「変わってほしい」ではなく、「変われる」ですか?

西岡コーチ:そうです。大学に合格するのは大きな目標ですが、本質的なゴールだとは思っていません。

それよりは、仮に受験で望む結果が出なかったとしても、自己変革する力をもってほしい。「こうなりたい」という自分になるために、努力して変われる力をもってほしい。その力は、これからの時代を生き抜くうえで大きな武器になるはずです。

そのために僕もこれまで以上に本気になって、踏み込んでいきたい。もっともっと真剣に、生徒さんと向き合っていくつもりです。

インタビュー後は、いつも通り授業に臨んだ西岡コーチ。この日のテーマは「本番思考」。試験で点を取るために何をすべきか、具体的に伝授します。

そして最後に西岡コーチは、「勉強は『なぜ?』と問うことが大事。だけど自分に『なぜ?』を問うのはやめよう。『どうしよう?』を考えよう」とメッセージしました。

受験を目指す航海中は、海が凪ぎ、目に見えて進むことができないときもあるでしょう。そんなとき、なぜ自分は進めないのかを考えるのではなく、どうしたら進めるかを考える──。

またひとつ大切な何かを手にした相洋丸の生徒たちは、西岡コーチの「さらなる本気」をどう受け止めるのでしょうか。今後に期待が高まります。