リアルドラゴン桜プロジェクト

学校法人 須賀学園 宇都宮短期大学附属高等学校

Vol 07
2020.1.17
先生方のインタビュー~
生徒と走り抜けた1年を振り返る

3学期に入って間もない1月中旬。この日は、相洋高校特進コース2年1組とかかわりが深い、3人の先生の話を聞くことができました。

生徒は昨年の4月以降、定例のリアルドラゴン桜授業のほか、東大見学、東大生との座談会や夏休み特訓、リクルート会社見学など、リアルドラゴン桜プロジェクトを通じてさまざまな経験を積みました。

そんな生徒たちは今、先生の目にどう映っているのでしょうか?
2019年度の最終レポートとなる本記事では、先生のインタビューを通して、生徒たちの成長を振り返ります。

■特進コース2年1組担任 高木泰英先生
「お互いを支え合う生徒の姿に成長を感じます」

──ご自分が担任を務めるクラスが、リアルドラゴン桜プロジェクトに参加することになったときの想いを教えてください。

高木先生:シンプルに、とてもありがたいと思いました。特進コース2年1組の生徒たちが臨む2020年度の大学入試は、入試体制が変わる年でもあります。不透明な要素もあるなかで、学校外の大勢の方々がプロジェクトにかかわり、当校の生徒を手厚くサポートしてくださる。そのことがもう、非常にうれしかったです。

──実際にスタートしてからの感想は?

高木先生:西岡コーチは、まさに「学びのプロ」という印象です。勉強法などテクニック面のノウハウが豊富ですし、それを生徒に伝えるときのアプローチがすごく丁寧なのです。

また、西岡コーチはまだ大学生で、生徒にとってはお兄さんのような存在。いい意味で第三者的な距離感もありますから、同じことをいっても、我々から伝えるよりも西岡コーチから伝えたほうが、生徒が素直に聞き入れているなあと感じることもありました。

──この1年、生徒さんにはどのような変化がありましたか?

高木先生:当然のことながら生徒によって受け取り方は異なりますが、今現在の全体的な印象は「芽が出てきた」でしょうか。

プロジェクト開始以降、盛り上がったり、悩んだりと、それぞれの生徒にいろいろな時期がありました。けれど、彼・彼女らは決して投げ出さずにプロジェクトを続けてきたし、我々も全力で支えてきた。そして何より、西岡コーチをはじめとする東大生コーチの方々が、一貫してポジティブなエールを送り続けてくださいました。

教育には、こうすればこうなる、という確たる正解はありません。でも、多くの方の協力を得てプロジェクトに臨み続けるうちに、生徒たちがお互いを支え合うことができるようになってきたなと……。これはとても大きな変化だと思います。

──このプロジェクトの意義はあったと?

高木先生:ええ。リアルドラゴン桜プロジェクトは大学受験にフォーカスしてはいますが、私は、これまでの学校生活では得られなかった体験をする、いろいろな方々と出会って刺激を受けるといったことが、生徒にとっての本質的な価値のような気がします。そうした経験が生徒の成長につながり、素晴らしい1年だったと思っています。

■特進コース主事 佐藤大志先生
「目標をアウトプットする生徒が増えました」

──佐藤先生は特進コースの主事であると同時に、教科指導で特進コース2年1組の授業も担当していらっしゃいます。リアルドラゴン桜プロジェクト開始以降、生徒さんにどのような変化を感じますか?

佐藤先生:「自分はこのくらい」という、生徒のなかの変な枠が取れてきたと思います。「この大学に挑戦したい」「大学でこんな勉強をしたい」と、自分の目標をアウトプットする生徒が増えました。このことは、とても良い変化だと思っています。

──授業中の様子で変化を感じることはありますか?

佐藤先生:集中力が高まったように感じます。「東大生コーチに勧められた勉強を試してみたら、良かった」といった生徒同士の会話を耳にすると、意欲的に取り組んでいるなあとうれしくなりますね。

──プロジェクトのプログラムで印象に残っているものは?

佐藤先生:5名の東大生コーチが来てくださった夏休み特訓です。そのときは特進コース2年1組のほか、自主参加で1年生や3年生も参加しており、コーチのまわりに生徒がワーッと集まっていろいろな話をしていました。

学科名やパンフレットだけでは大学の勉強の実態がつかみにくい部分もありますし、オープンキャンパスでも得られる情報は限界があると思うのです。そんななか、現役の大学生からリアルな話を聞けたのは、生徒にとって非常に有益だったと思います。特に、3年生は具体的な進路の悩みを相談し、背中を押してもらえたと喜んでいました。

──リアルドラゴン桜授業の内容だけでなく、東大生コーチとの交流そのものも、このプロジェクトの魅力でしょうか?

佐藤先生:そうですね。勉強はつらく苦しい側面がありますが、「やりたいことをするために勉強は必要で、やりたいことのための勉強は楽しい」と、生徒が素直に感じられる姿を見せてもらえたのは、本当に良かったと思います。

■教科指導主任 数馬貴佳先生
「先生が“ワンチーム”に近づいてきました」

──数馬先生は2年1組の教科指導を受けもつかたわら、教科指導主任としてリアルドラゴン桜プロジェクトに伴走してくださいました。

数馬先生:正直なところスタート前は、プロジェクトと我々の進路指導の方針が全く異なっていたらどうしよう……という若干の懸念もありました。しかし始まってみると、西岡コーチがおっしゃることは当校の先生が生徒に常々伝えていることと同じだったのです。さらには、西岡コーチから同じメッセージを受け取ることで、生徒の納得感が高まるという効果もありました。

──リアルドラゴン桜授業のあと、先生方と西岡コーチ、プロジェクトスタッフのミーティングが必ずおこなわれますね。

数馬先生:ええ。ミーティングの場では我々が直近の生徒の様子を伝え、西岡コーチやスタッフさんと次回授業のテーマなどを打ち合わせしました。そうやって都度カスタマイズしてもらうことによって、プロジェクトがますます意義深いものになったのではないかと思います。

──学校の先生方にはどのような変化がありましたか?

数馬先生:学級担任はもとより、特進コース2年1組の教科担任も「自分の限界(生徒の思い込みの限界)を超えるように、生徒をサポートする」という意識が高まったと思います。

先ほど話に出たミーティングの効果も感じます。注力すべき教科などについて、学級担任と教科担任の目線合わせが一段とスムーズになりました。

──校長先生や教頭先生も、このプロジェクトに高い関心を寄せてくださっています。

数馬先生:そうですね。リアルドラゴン桜授業の現場に来て、生徒や我々の取り組みを見守ってくれています。昨年の流行語を借りるならば、このプロジェクトに携わる先生方が、回を重ねるごとに“ワンチーム”に近づいてきたという手応えがありますね。

私自身も、このプロジェクトのポジティブな風を学校全体に吹かせたいと考え、コースの垣根を越えて多くの先生に対しても、リアルドラゴン桜授業を聴講することを働きかけていきたいと思います。そして学校全体で、結束力をもち、生徒を支えていける教育体制を築くことを理想の形としています。

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生徒の成長を支えたいという熱く温かな想いが伝わってきた、3人の先生のインタビュー。

特進コース2年1組が大学入試に臨むまで、あと1年。相洋丸に乗り込んだ生徒と先生方は、悔いのない笑顔で迎える1年後のゴールに向けて、まっすぐに同じ方向を見据えています。