リアルドラゴン桜プロジェクト

東亜学園高校

Vol05
2020.9.26
今日は“勉強したほうがいい理由”を考えましょう

9月26日に、リアルドラゴン桜授業がおこなわれました。この日のテーマは“勉強したほうがいい理由”です。これからの社会はどのように変化するのかを知り、その時代を生き抜くために必要な力は何かを学びます。授業の様子と、参加した生徒の感想をご紹介しましょう。

将来、49%の仕事は
AIがやるかもしれません

授業の冒頭、西岡コーチはこう語りはじめました。「今日は“なぜ勉強をするのか?”を、改めて考えたいと思います。最初の質問です。皆さんはいま、勉強のモチベーションが高いか低いかを教えて下さい。そしてそのモチベーションは、毎日同じ状態なのか、日によって差があるのかも教えて下さい」。

生徒たちが挙手した結果、一番多かったのは、“モチベーションは普通で、その状態は日によって変わる”でした。西岡コーチはこう続けます。

「モチベーションについて、こんな話があります。レンガを積んでいる職人に何をしているのかと聞くと、3種類の返答がありました。

1:レンガを積んでいます
2:レンガを積んで礼拝堂を作っています
3:レンガを作って、コミュニケーションの場を作っています

この中で一番モチベーションが高いのは、3番と答えた人なのです。なぜでしょう?それをすることで将来、長期的にどうしたい、あるいはどうなりたいかを考えているからです。レンガを積むという行為は同じでも、考え方次第で得られるものの価値が違ってきます。だからみなさんが勉強のモチベーションを高く保つためには、3番と答える職人の考え方になることをおすすめします。何のために勉強をするのかを、自分で考えるのです」。

続いて西岡コーチは、こう語ります。「参考になる話をしましょう。近い将来、AIが代替する仕事が増えるという予測は聞いたことがあると思います。ではその比率はどれくらいかご存知ですか? ある予測では、今後10年から20年の間に、AIで代替可能となる労働人口は49%だそうです。想像より、はるかに多いと思いませんか?」。

生徒から、驚きの声があがりました。

AIが苦手で、人間にしか
できない力を身につけよう

西岡コーチは話を続けます。「では、AIが苦手なものは何かを考えてみましょう。東ロボくんプロジェクトという、“AIは東大に合格できるか?”という研究があります。結論は、東大には合格できないのではないかということで、現在研究が凍結されています。東ロボくんは、大量の難解な計算では簡単に正解を出せたのですが、小学生でもわかる常識や日常生活で得られる経験を問われる問題が解けなかったのです。ここからもわかるように、AIに人間が勝てるのは、イノベーション、直感、センス、アイデア、コミュニケーションだと言われています。つまり、このような仕事をすれば、これからもAIに取って代わられる可能性は低いと考えられます」。

西岡コーチは続けます。「たとえば、営業という仕事があります。商品やサービスに値段をつけ、買ってくださいと売る仕事です。しかしすでに、現在でも営業の仕事は難しくなっています。たとえば同じ商品であれば、お客様は多くの情報の中から価格を比較することができるからです。では、みなさんが営業だったらどうしますか? 今から体験してみましょう。超小型で軽量、防水機能もあるカメラの値段をつけてください。相談してもいいですよ」。

生徒たちはいっせいに、自分の意見を話しはじめました。相談はとても盛り上がり、ユニークな発表が続きます。

「月額3万円のサブスクリストでやります。継続的にお金が入るからです」
「5万円。よく売れている人気機種より少し安くして、大量に売ります」
・・・などの答えが続き、西岡コーチが感想を伝えていきます。そして最後にこう話しました。

「この問題に正解はありません。しかしみなさんが自分で考えたことと、その理由に価値があるのです。ちなみに僕は、数十万円で実際に売りました。ある体験ツアーをしている方に、こう提案をしたのです。『その体験はとても楽しいのですが、時間が来ると終わりです。そこでドローンにこのカメラをつけて、体験しているシーンを撮影しませんか?そして体験終了後の食事時間に、鑑賞するサービスをはじめてはいかがでしょう?』という内容でした」。

「付加価値をつけると、値段を上げることができます。同等の機能を持つ商品が6万円だったとしても、自分たちの知識や経験を活かしたアイデアで、それ以上の価値が生まれるのです。カメラを売るということから、カメラを使ってこのような付加価値があるサービスを売るという発想の転換が必要だということが、体感できましたか? AIはこのような提案は苦手で、人間にしかできない領域なのです」。

生徒たちは刺激を受けたようです。その後にとられた休憩時間にも「こんなアイデアがあります!」と言って西岡コーチを囲み、盛り上がっていました。

本気で勉強をしたら
勉強が楽しくなる

西岡コーチの話は続きます。「ここまで、AIが将来、多くの仕事や職業に取って代わる可能性について話をしてきました。また、AIにはできなくて、人間にしかできないことについても学びました。みなさんが社会に出て働く時に必要とされる、このような力をつけるには、どうすればよいか?その答えの一つが、勉強をするということです。たとえば大学の経済学部では、付加価値をつけて価格をあげることの重要性や事例を学ぶことができます。だから、勉強をしたほうが良いのです」。

「勉強のモチベーションを上げるための考え方も、レンガ職人の例で学びました。それでもまだ、実感がわかない人もいるでしょう。そこで、参考になる話をします。東大生に『今、勉強は楽しいですか?』と聞いたら、楽しいと答えた人は72%でした。ところが、『勉強を本格的に始めた時に、勉強は楽しかったですか?』と聞くと、楽しかったと答えた人は38%まで減りました。『勉強をすればするほど、勉強が楽しくなった』と答える人が、ほとんどだったのです。つまり、今は勉強が楽しいという東大生も、最初から楽しかったわけではありません。勉強を本格的にやっていると、楽しみがわかるという順番なのです」。

さらに西岡コーチは続けます。「勉強のモチベーションに波がある人に、有効な方法を紹介します。東大理3に合格し、在学中に司法試験にも合格した、東大生の中でも特にすごい人の話です。その人がモチベーションを高く維持し続けるためにやっていたことは、目標を具体的にして、少しだけ高くするということでした。たとえば苦手科目のテストで目標を満点にしても、実現するのは難しいですよね。そうではなく、前回の英単語のテストが60点だったら、今回は70点を目指そうというくらいの小さなステップでやり続けるのです。この方法であれば、目標がかけ離れていてやる気が起きなくなることもないと思います」。

その後も西岡コーチは目標を達成するための行動を決めるシートを紹介し、その使い方を詳しく説明しました。モチベーションを高く維持し続ける方法を知り、生徒たちは多くの質問を投げかけました。

生徒たちの想い

授業の終了後、生徒にこれまでの感想を聞きました。生徒は何を感じたのでしょう?

Y.S.さん

今日の授業で、一番印象的だった内容は何ですか?
---カメラの値段を決める練習です。今までは買う側で値段をつけた経験はなく、とても難しかったです。私は安めに設定したのですが、他の生徒から出た月額課金というアイデアを聞いて、価格をつけるということは奥が深いと感じました。また、付加価値がつくと高く売れるという話も印象的でした。

これまでのドラゴン桜授業で、印象的だった内容は何ですか?
---基礎が大切だと教えていただいたことです。私は今、塾に通っています。そこでは実践的な問題を解いているので、基礎を確認する機会はありませんでした。リアルドラゴン桜授業では、英単語の語彙力や計算力が大切だということを何度も強調していました。その大切さを知ることができたので、ありがたいと思っています。いま、家で勉強を始める前には3分間、計算問題を解いています。それでエンジンをかけてから、勉強をする習慣が身につきました。

将来の夢が決まっていれば教えて下さい
---将来は医療系に進みたいと思っています。しかし数学が苦手なので、毎日やっている基礎の計算を継続し、計算力をつけて頑張りたいと思います。

K.H.くん

リアルドラゴン桜授業の感想を聞かせてください
---とても参考になります。今までも勉強はしてきましたが、勉強のやり方がわかっていなかったと気がつきました。たとえば高校受験も、ひたすら暗記して、問題を解き続けていたのです。なぜを問うなどの、重要で根本的な話は、今後の勉強にかならず活きてくると思います。

もっとも印象に残った話はありますか?
---基礎が大切だという話です。どの東大生も同じことを言っていたので、きっとその通りなのだと思います。僕は英語が苦手なのですが、単語力をつけたら成績は上がると言われました。それを信じて、いまは毎日、英単語を覚えています。

授業を受けて、変わったことはありますか?
---自分から勉強するようになりました。今までは言われたことをやる、受け身の勉強だったので、そこが変わったと思います。ただ、今日の授業で話されたように、勉強が楽しいというレベルには達していません。まだまだなので、まずは本気で勉強をやり続けます。

将来の夢があれば、教えて下さい
---将来は医療関係に進みたいと思っています。数学は得意なのですが、英語が苦手です。単語を毎日覚えて、得意科目にしたいと思います。

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