リアルドラゴン桜プロジェクト

学校法人 須賀学園 宇都宮短期大学附属高等学校

Vol 03
2019.6.11
創造力で課題を解決する力
「デザイン思考」とは!?

6月11日、朝9時に会場に集合した特進クラスの約50名。この日は株式会社Curio Schoolの染谷優作さんを講師に迎え、『デザイン思考』の基礎を学ぶクリエイティブ研修が行われました。『デザイン思考』とは、課題解決をするうえで大切な思考方法の一つ。普段当たり前に思っていることの中から課題を見つけ出し、自分たちで解決策を考えることの楽しさを学ぶ特別授業です。ただ講師の話を聴くだけではなく、グループごとに分かれて話し合い、解決策を形にして、発表する。そんな新たな体験に胸躍らせた、生徒たちの1日に密着しました。

考えて、磨いて、壊す。
その繰り返しがアイディアを生む

「みなさんは学校でたくさんの勉強をしていると思いますが、それをアウトプットして生かしたいと思ったことはありますか?」

研修は、講師のこんな問いかけから始まりました。
「今回の研修の目的はずばり、みなさんのクリエイティビティ(創造力)を育むこと。そして、グループで協働して何かを生み出すことです」と続ける講師。実は1990年代後半~2000年生まれのZ世代と呼ばれる若者たちは、シャイであるがゆえにクリエイティビティを発揮しきれていない傾向があるのだといいます。

「それだけに、もっとみんなが持つクリエイティブな力を発揮して、世の中にどんどんアウトプットして欲しい」と語る講師。生徒たちもこれから始まる研修に、期待が高まっているようす。真剣に講師の話に聞き入っています。

そして最初に行われたのは「マシュマロチャレンジ」というグループワーク。これは、パスタ20本、テープ1m、マシュマロ1個を使い、制限時間8分の間にどれだけ高い位置にマシュマロを固定できるかを競うゲームです。講師のスタートの掛け声と同時に競ってアイディアを出し合い、マシュマロをどんどん積み上げていく生徒たち。途中意見がぶつかり合うシーンなども見られましたが、一つの目標に向かってグループ一丸となり、会場も次第に熱気に包まれていきます。

こうしてあっという間に8分が終了。チャレンジを終えた生徒たちに講師が語ったのは、チームで意見を出し合い、解決方法を生み出すときに必要な2つのことでした。1つは「人の意見を否定しないこと」。そしてもう1つは、「迷ったときは立ち止まらず、アイディアをどんどん具体化してみること」です。

このグループワークを通して、仲間と意見を交換しながら、一つのことを成し遂げるということを学んだ生徒たち。グループにも連帯感が生まれたところで、研修は『デザイン思考』の詳細へと進んでいきます。

ユニークな視点で課題を探して
発見・発明の種を見つけよう!

「デザインという言葉を聞くと、どんなことが思い浮かびますか?」
そう生徒たちに質問する講師。マイクを向けられた生徒たちからは、「洋服の模様」、「考えて書くこと」など、さまざまな意見が飛び出します。

ちなみに「デザイン」とはもともと、指示する、計画する、形をつくる、などを意味する言葉なのだそう。「デザインとは、計画を通して、何らかの課題を解決していくこと。そして、『デザイン思考』というのは、そのデザインの考え方をまとめたもののことなんです」と講師は生徒たちに伝えます。

そして話は、具体的な『デザイン思考』のステップへ。実例を眺めながら、みんなで課題と解決方法を考えていきます。初めは自分たちの価値観の範囲でしか課題をとらえることができなかった生徒たちですが「大切なのは、困っている人、悩んでいる人の立場になって考えること」という講師のアドバイスを受け、答えの幅も徐々に広がりを見せるように。出る意見も、どんどん深みを増していきます。

次に紹介されたのは、人が気づいていない課題を見つけ出し「どうしても自分が解決したい!」とユニークな発明を世に生み出した、事業家たちの事例でした。
「普段身の回りで感じている不満や、もっとこうだったらいいのに、という理想を深堀りしていくことで、ユニークな課題発見ができます。それが新たな発見、発明につながるのです」。と講師。実際にアイディアを形にし、それを世に出すことで名を馳せた事業家たちの存在を知り、生徒たちも『デザイン思考』の大切さを実感したようでした。

「デザイン思考」を使って、
教室の困りごとの解決に挑戦!

『デザイン思考』の基本を学んだところで、授業はより実践的な内容へ。教室の中の困りごとをグループで洗い出し、解決策を形にするという最終ワークが行われました。教室の困りごとを付箋に書き、用意されたシートにさっそく貼っていく生徒たち。最後はチームのみんなで投票して考えるテーマを1つに絞るということで、グループでの議論も次第に白熱していきます。

そして次は、グループ全員で決めたテーマと解決方法をアイディアシートに書き出し、アイディアを形にするフェーズ。まずはアイディアを具体化して議論を深めるために、試作品をつくり始める生徒たち。会場に用意された画用紙や粘土、ペンなどの文房具を使ってアイディアを形にし、試すというプロセスを体感していきます。リーダー的にみんなの意見をまとめる生徒、その意見を具体的な形にしていく生徒など、それぞれの個性に合った役割を果たしつつ、全員で話し合いながら作業が進んでいきました。

途中お昼休みをはさみ、午後からはいよいよ緊張の発表タイムです。学校の騒音を解決すべきテーマに上げ、騒音の振動を心地よい音の振動に変える装置を考えたチーム、 ゴミ分別の課題を取り上げ、ゴミを分別して捨てる人、回収する人両方にポイントが与えられるゴミ箱を考えたチーム。ロッカーの開閉に課題を見つけ、指紋認証で開き、スライド式で開閉が邪魔にならないロッカーを考えたチームなど、独創的なテーマと解決する試作品が次々と登場します。

自分たちがつくり上げたものを人に伝え、講師からのアドバイスや、他グループからの意見をもらい、さらにそれを評価してもらうという体験に興奮したようすの生徒たち。発表後にも、改善点や反省点を議論する姿があちらこちらで見られました。

こうして、ほぼ1日をかけて行われた研修が終了。生徒たちから取ったアンケートには「課題を解決することの楽しさを知ることができた」、「創造することへの意欲が高まった」という声や「今回学んだことが、これからの生活や将来に生かせそう」という声が。たった1日の研修ではありましたが、生徒たちの中に眠っていたクリエイティビティの種が、確実に芽を吹き出したようでした。