リアルドラゴン桜プロジェクト

学校法人 須賀学園 宇都宮短期大学附属高等学校

Vol04
2020.9.28
リアルドラゴン桜授業の目的は、
「勉強を思い切り楽しむこと」にある

9月28日。この日は、宇都宮短期大学附属高校1年生の参加者46名に向けて、初のリアルドラゴン桜授業が行われました。西岡コーチとも初対面ということで、生徒たちもやや緊張した様子。まっすぐな目で前を見つめ、西岡コーチの話に耳を傾けている姿がとても印象的でした。普段とは全く趣向の異なるこの授業に、生徒たちは何を感じ、どのような想いを抱いたのでしょうか? 授業の内容に加えて、初授業を終えたばかりの生徒の声もお届けします。

勉強はただの作業じゃない
なぜ勉強するのかを考えよう

「ひと言で言います。リアルドラゴン桜授業は、勉強を楽しもう!という会です」。

教壇に立った西岡コーチが最初に口にしたのは、こんな言葉でした。
これから一体どんな授業が始まるのだろう。そんな期待と不安が入り混じった表情で初授業を迎えた生徒たち。彼・彼女たちにとっては「勉強を楽しむ」という概念が新鮮だったのかもしれません。最初は少し固かったみんなの表情が、この言葉で少しやわらいだように感じられました。

場の空気が和んだところで次に西岡コーチが紹介したのは、レンガを積んでいる3人の職人の話です。

旅人がこの職人たちに「何をしているのか?」と聞いたところ、
1人目は、「レンガを積んでいる」
2人目は、「礼拝堂を作っている」
3人目は、「この街に多くの人が憩えるコミュニケーションの場を作っている」
と答えたのだそう。

「このなかで、最もモチベーションが高いのは3人目です。同じレンガを積むという作業でも、捉え方によってその作業の意味は大きく変わります。これは、勉強も同じこと。みなさんには、3人目の職人になってもらいたいのです」。

勉強をただの作業と捉えるのではなく、その意義まで考えて欲しい。そうすれば、勉強はもっと面白くなる。この物語には、西岡コーチのそんなメッセージが込められていました。

「みなさん全員が、この3人目の職人のような意識で勉強すること。そして、本気で行きたい大学に行って、社会に出てからも勉強を役立てられるようにすること。それが、この授業の目標です」。

改めてリアルドラゴン桜授業の目的を知り、生徒たちもより一層、授業に対する興味が増したよう。みんなの瞳が一段と輝きを増したように見えました。

自分に限界をつくるのは自分!
「なれま線」を超えよう

続けて、西岡コーチの自己紹介タイムです。
「僕は高校2年生の模試の偏差値が35でした」。そんなコーチの言葉に、思わずどよめく生徒たち。目の前にいる有名な東大生がそんな成績だったとは、にわかには信じられないといった表情です。

「しかもいじめられっ子で、サッカー部でも球拾いばかり。勉強にもサッカーにも本気になれない、中途半端な人間だったんです」。

そんな人生を変えたのは、当時の先生がくれた言葉だったと、西岡コーチは語ります。

「その先生が教えてくれたのは、人間は、<なれま線>という線に囲まれているということ。そして僕は、その線の中でずっととどまっているということでした。その線を飛び越えて1歩踏み出したら何かできるかも知れない。これは極めたというものを、1つでいいからやってみろと言われたんです」。
東大を目指すことを決めたのも、この時だったそう。そこから勉強し、2回東大に落ちたという西岡コーチ。それでも踏ん張って合格したから、今ここにいられるのだと、生徒たちに伝えます。

これに続けて、「僕も偏差値55くらいからのスタートでした」と語ったのは、この日サポートとして登場した布施川天馬コーチです。進学費用を自ら稼ぐために、週3日、朝から晩までアルバイトをして、東大に受かったという布施川コーチ。彼もまた、<なれま線>を越えたからこそ、今があるのだと話します。

2人の現役東大生の実体験に、興味津々で聞き入る生徒たち。それぞれが、自分自身の中にある<なれま線>に思いを巡らせているようでした。

勉強をすることで
身の回りの世界がもっと広がる

休憩時間を挟んだあと、生徒たちに「なぜ勉強をするのか」を問うワークが行われました。
「みんなはなぜ勉強をしているのか、教えてください」。
このコーチの問いかけに対して、多くの手が挙がります。西岡コーチに指名された生徒からは

「心理学者になりたいという夢があるので、それを実現するためです」。
「行きたい進学先に行って、学びたいことを学ぶためです」。
といった、前向きな意見が聞かれました。やはり、やりたいことを実現するために勉強するという生徒が多いようです。

これらの意見に対して「受験のために勉強をするのは、とても大切なことですが、実は勉強の本当の魅力は、自分の身の回りの世界を広げてくれることにあるんです」と話す西岡コーチ。

そしてここからは、この言葉を生徒たちに実感させるための問題が、いくつか出されました。
その中の1つが、「みんなが飲んでいる牛乳は、どこの都道府県で作られているか」という問題です。

周囲の生徒と相談しながら、答えを考える生徒たち。積極的に意見を交換する声が、教室に響き渡ります。

回答タイムに生徒たちから出されたのは、

「僕がいつも飲んでいる牛乳が栃木産なので、栃木県だと思います」
「北海道牛乳があるので、北海道」
などといった答えでした。

その答えひとつひとつにうなずきながら、真剣に耳を傾ける西岡コーチ。そして、いよいよ回答です。

「牛乳と言えば北海道というイメージが強いと思うのですが、実は北海道産は1から1.5割程度。実はみんなが飲んでいる牛乳は、栃木県、群馬県、茨城県が多くを占めています。その理由は、牛乳は腐りやすいから。このため、輸送にかかる日数が少なくて済む、関東近郊産が多いのです」。

この答えに、どよめく生徒たち。やはり北海道の比率が思ったよりも低いことに、驚いたようです。このように実際の問題を通して、勉強は自分たちの世界を広げるのだということを生徒たちに伝えた西岡コーチ。勉強に対する生徒たちの認識にも、大きな変化が生まれたことでしょう。

誰かが本気で言うことには
本気の眼差しを向ける必要がある

この日の最後に出されたのは
「授業を受ける」を英語では何というか?という質問でした。普段考えたこともない質問に、生徒たちも少し戸惑った様子で、相談しながら答えを考えます。
「Listen」、「Do」といった動詞が答えとして並びますが、実は正解は「Take a class」。

「授業は自分からTakeしなくてはいけないということです。成績を上げたかったら、先生に質問に行ってください。これは意識の問題なんです。取りに行くか行かないか。誰かが本気で言うことには、本気の眼差しを向ける必要があるのだということを、覚えていてください」。

質問するためには、授業をきちんと聞いている必要があること。そして、質問に行くことは、先生にとってもモチベーションアップになるのだと話す西岡コーチ。

「もしみんなが質問をしていないなら、まだ本気になっていないということ。積極的に取りに行く。これができたら、みんなの世界が変わると思います。勉強することの意義について、みんなも考えてみてください」。そんな熱いメッセージで、この日の授業は終了しました。

生徒たちに感想を聞いたところ、

「人の話をよく聞け、ではなくて、質問するから人の言葉がよくわかる。など、ただの精神論ではなく、より具体的に説明してくれたところが良かったです。これからは積極的に授業をTakeしていきたいと思います」。

「最初は堅苦しい授業なのかなという印象があったのですが、西岡コーチもフランクで、自分の将来について熟慮すべき点があるなとか、いろいろ考えさせられた授業でした。自らどう動いていけば変われるのかを、勉強だけでなく、生活の中でも考えていく必要があるんだと実感できたのが良かったです」。

と答えてくれました。まだまだ伸びしろがたっぷりある1年生だけに、今後の成長が楽しみです。

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