終業式まで3週間余りの7月20日。須賀英之校長先生と萩原俊和教頭先生、そして、西岡コーチが集い、2年目を迎えたリアルドラゴン桜プロジェクトについて語り合いました。
これから生徒にどう変わっていって欲しいのか。今後のリアルドラゴン桜授業に何を望むのか。先生とコーチの熱い想いを、この日行われた授業の様子と併せてご紹介します。
高いモチベーションを保ったまま
最後まで走り抜けて欲しい
西岡コーチ:御校の生徒はみんなとても真面目で、一生懸命な印象を持っています。校長先生・教頭先生は、どんな生徒に育って欲しいと思っていらっしゃるのでしょうか。
須賀校長先生:生徒にくじけない心を持って、社会の要望に応えられる人間になって欲しい。西岡コーチは、困難を克服して成功された方ですから、生徒には勉強だけでなく、生き方まで学んでもらいたいと願っています。
西岡コーチ:生徒が社会に出てからのことも考えていらっしゃるのは、本当に素晴らしいですよね。僕の授業を通して、困難に打ち勝つ力や、社会で生き抜いていく意欲を身に付けてもらえたら、とても嬉しいです。
須賀校長先生:やはり、西岡コーチの言葉の重みは違いますね。生徒と近い立場にいらっしゃる西岡コーチのお話は、生徒の心にも深く染み込んでいるという印象を持っています。
萩原教頭先生:私は、もっと高いゴール設定ができるようになって欲しいですね。高跳びに例えると、みんな2m飛べる力があるのに、165㎝とか、ちょっと低めに目標を立ててしまいがちなんです。最後まで目標を下げないよう、強い心を持って欲しいと思います。
西岡コーチ:仰るように、目標設定は大切ですよね。御校は優秀な生徒が多いですから、自分の力をしっかりと見きわめる術を身に付けてもらえるよう、僕も精いっぱい頑張りたいと思います。
西岡コーチ:今後のリアルドラゴン桜授業に対して期待されるのは、どんなことですか?
須賀校長先生:先月までの授業は、オンラインでやっていただきました。コロナ禍のなかということもあり、オンライン授業が持つ可能性には、とても期待しています。ウィズコロナの時代になって、受験がどう変わるのか、大学で学ぶことがどう変わるのか、なども踏まえて授業をしていただけたら嬉しいですね。
西岡コーチ:オンラインだと、より意欲が問われてくると感じています。チャットでコメントを書き込めるのですが、40人参加しても、積極的にコメントできる生徒は半分くらいなんです。そこは意欲の差だと思うんですよね。御校の生徒はコメントの質はとても高いので、さらにチャット数が増えると良いなと思っています。
須賀校長先生:積極性を持って欲しいところですね。
萩原教頭先生:優秀な生徒は、ちょっとプライドが邪魔をするところもあるのかもしれません。
西岡コーチ:何でも良いので、とにかくコメントを書き込んでくれると嬉しいですね。そして面白さをより体感してもらえたらと思っています。
須賀英之校長先生
須賀校長先生:2年生のドラゴン桜授業はもうじきに最終を迎えますが、今後どのような内容を予定されているのでしょうか?
西岡コーチ:そうですね。実際に問題を解いてもらい、振り返り方のテクニックを実践してもらおうと考えています。
須賀校長先生:2年生から3年生になったとき、残りの1年間をどのように過ごせばいいのかという意識づけもしていただけたら嬉しいです。高いモチベーションを保ったまま、最後まで走り抜けられるようになって欲しいのです。
西岡コーチ:授業が終わった以降、生徒たちがどう自分で受験勉強を進めるかが大事ですね。2年生には、行きたい大学を決めた後、過去問を解きながらどう戦略を立てていくか、問題にどうアプローチするか、試験時間をどう使うかなど、ドラゴン桜授業が終わってからも使えるテクニックを教えていきたいと思っています。
萩原教頭先生:そこまで教えていただけたら、本当に嬉しいです。
須賀校長先生:そうですね。今後の授業にも、期待しています。
体表面温度測定サーマルカメラの前で
学習ペースが乱れがちな今
勉強を習慣化することが大切
ここからは、この日行われたリアルドラゴン桜授業の様子をお届けします。
今回教室に集まったのは、全員2年生。コロナ禍の最中ということで、生徒間も十分な距離を持たせた席配置で、授業がスタートしました。
授業の冒頭、西岡コーチは、生徒たちにこう問いかけます。
「努力は報われるは、正しいと思いますか?間違っていると思いますか?」
挙手を求められた生徒たち。「正しい」という方に手を上げる生徒が大半のようです。
これに対し生徒からは、「努力をすることは大切ですが、努力=成功ではないと思います」。
という意見が。西岡コーチも「とても良い意見ですね」とうなずきます。
「努力にも、適切な方向の努力が必要です」と言う西岡コーチ。
受験には
(1)適切な方向の努力
(2)適切な分量の努力
(3)適切なタイミングの努力
の3つが必要なのだと話します。
ただ努力するだけでは成功できない。それは、二浪した経験を持つ、西岡コーチ自身が身をもって感じたことなのでしょう。その実感を伴う言葉の重みを、生徒たちもしっかりと感じているようです。
次に、授業はリアルドラゴン桜の本を読む時間となりました。今回は、勉強を習慣化することの大切さを説く内容です。
ちなみに、今回サポートとして参加している布施川天馬コーチは、週3日アルバイトをしながら東大に合格したという経験の持ち主。アルバイトをして帰宅した後も、必ず数学の問題を1問だけ解いてから寝ることを習慣にしていたのだと言います。
「決まった時間に、少しずつでも継続して勉強することが大切」と話す布施川コーチ。「習慣になれば『当たり前』になる。毎日歯を磨く、それと同じように勉強をすることが大切なのです」と語りかけます。
コロナ禍で勉強のペースが乱れがちな今だからこそ、勉強を習慣化する必要がある。そんな西岡・布施川両コーチのメッセージを、生徒たちも真摯に受け止めたように見えました。
残り時間で何をするのか
逆算しないと受験勉強は終わらない!
続いて授業は「受験までに何を終わらせるべきか」というテーマに入っていきました。
「2年生にとっては、受験までの残り時間で、何をするべきなのか、そのマクロから逆算しないと、受験勉強は終わらない」と西岡コーチは話します。そのためには、マクロからミクロに落とし込み、自分の勉強内容を決めていく必要があるのだとか。
このほか、予習と復習の考え方、勉強内容をスケジュールに落とし込むためのtodoリストのつくり方など、受験までの時間を有効に使うためのノウハウが細かく伝えられました。やはり2年生向けの授業は、昨年と比べてさらに具体的になり、受験勉強に直接役立つ内容になっている印象です。
そして授業の最後、西岡コーチが生徒に伝えたのは、志望校の過去問の活用方法でした。
「過去問を解く時に意識すべきことは3つです」と話す西岡コーチ。
それは
(1)どうして正解できたのか
(2)どうすれば正解できたのか
(3)次にどうするべきか
なのだそうです。この3つのポイントを押さえながら過去問を解くことで、残された時間で何を学ぶべきかがわかり、それをスケジュールに落としていくことができるのだと言います。
最後は、いつまでに何を勉強するのかをスケジュールに落とした、todoリストに書き込むワークが行われ、この日の授業は終了しました。
「受験までの限られた時間を、どう有効に使っていくのか」という大きなテーマを秘めた今回の授業。生徒たちにとっても、とても役立つ内容だったようです。
やるべきことを的確に見きわめ、習慣化して学習をしていく。この基本姿勢は、リアルドラゴン桜授業が終了した後も、きっと役に立つことでしょう。
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