リアルドラゴン桜プロジェクト

学校法人 須賀学園 宇都宮短期大学附属高等学校

Vol06
2020.11.20
現役の理系東大生コーチが初登場
実体験に基づく数学攻略法とは⁉

木々が赤や黄色に色づき、すっかり秋らしくなってきた11月20日。1年生に向けて、第3回目のリアルドラゴン桜授業が行われました。この日は東大理科Ⅱ類の1年生、山田コーチが初参加。自身の体験に基づいた数学勉強法が紹介され、授業も大いに盛り上がりました。今回は授業の様子と合わせて、担任先生のインタビューもご紹介します。

国語が苦手なら
まずは語彙力をつけよう

教室に集まったのは、1年生46名。授業も3回目ということで、教室も和やかな雰囲気です。この日は、現役の理系東大生である山田コーチが参加。宇都宮短期大学附属高校の生徒とは初顔合わせということで、まずは自己紹介からスタートしました。「学生時代のあだ名は、担任でした」というユニークな挨拶で、さっそく生徒たちの心をつかみます。

そして、いよいよ授業は本題へ。今回のテーマは、国語と数学です。
まずは西岡コーチから、「国語が得意か不得意か、周りの人と相談してみてください」という問いが投げかけられました。

西岡コーチが「国語が苦手だと思う人」に挙手を求めると、多くの生徒の手が挙がります。やはり、国語に対して苦手意識を持っている生徒も少なくない様子。西岡コーチいわく、国語はどう勉強すれば点数を上げられるのかがわかりにくく、苦手意識を持ちやすい教科なのだといいます。

そんな意識を変えるべく、授業ではいくつか実際の入試問題が出題されました。第1問目は、2012年に出題された上智大学の入試問題。「恣意性」の原理について最も適切なものを、4つの選択肢から答えるというものです。

「恣意性」という、普段聞きなれない言葉を前に、苦心している様子の生徒たち。実はこの問題。「恣意性」という言葉の意味がわからなくても、「好きなようにする、わがままな」、という意味を持つ、「恣(ほしいまま)」という漢字を知っていれば、答えられる問題なのだといいます。

続いて出されたのは、
「世間擦れ」という言葉は、は良い意味か、悪い意味か。という問題です。生徒たちは積極的に周囲の生徒と話し合い、答えを考えます。西岡コーチがマイクを向けると、

「世間に慣れてずる賢くなっている人」
「世の中の考えからずれている人」

などの意見が。どちらかというと、悪い意味の言葉だと捉えている生徒が多いようです。そんな生徒を前に、
「実はこの言葉は、経験豊富な人を指す、良い意味の言葉です」。と語る西岡コーチ。意外な答えに、生徒たちも驚いた表情を浮かべています。

これらの問題を通して西岡コーチが強調していたのは、「語彙力の大切さ」でした。日本語は普段使っている言葉だけに、理解できていると思いがちですが、本来の意味をわかっていない言葉や知らない言葉も多く、その盲点を突いた問題が出題されることも少なくないのだといいます。

ちなみに、語彙力を上げる方法は2つ。1つは熟語を覚えること、そしてもう1つは、漢字を覚えることなのだそう。
「分からない熟語も、漢字がイメージできれば大体理解できます。同じ漢字を使う言葉をセットで覚えると、さらに効果的です」。と続けます。

初めて聞く学習テクニックに、みんな興味津々。見えにくかった国語の勉強に方向性を見出すことができた今回の授業は、彼・彼女たちにとっても、とても大きな収穫だったに違いありません。

東大入試の数学では
解答時間内に数百回の計算が必要

「みなさんは、計算は得意ですか? そして、計算ミスはする方ですか?しない方ですか?周りの人と話し合ってください」。

午後の授業は、西岡コーチのこんな言葉からスタートしました。生徒たちの声に耳を傾けると、どうやら計算が得意という生徒と、不得意な生徒に分かれるよう。不得意という生徒からは、「焦って計算してしまう」、「見逃してしまう」、「早とちりしてしまう」といった理由が聞かれました。

ここで話者は西岡コーチから、山田コーチへ。最初に出されたのは、素因数分解の問題です。なかには問題が出されてから数秒で回答を出す生徒もおり、他の生徒からも感嘆の声が漏れていました。

東大文系の数学の入試問題では、解答時間内に数百回の計算をすることも珍しくないのだそう。それだけに、計算スピードを上げ、計算ミスを減らすことこそが、数学の点数を伸ばす王道なのだといいます。

実は山田コーチ自身も、模試で計算ミスをすることが多かったのだとか。「かつては、15-7=7なんていう計算ミスもしました(笑)」と、自身のエピソードを紹介します。

そんな山田コーチが行きついた計算ミスを減らす方法は、

①毎日粘り強く計算練習をすること
②自分の間違いやすい計算をしっかり自己認識すること

の2つだそう。やはり地道なトレーニングが実力アップにつながるのだといいます。

そして最後は、数学の入試問題を解くときに必要な、2つの行動が紹介されました。
1つは「計算」。そしてもう1つは、どの分野の問題なのか、どの証明を使えばいいのか、どの順番で答案を書くか、という「論理」なのだといいます。これを判別し、自分がどちらをやっているのかを認識できると、それぞれの作業に集中することができ、計算ミスが少なくなるのだそう。

「問題を解くときは、自分が論理と計算のどちらの行動を取っているのか、しっかり意識してください」。という言葉で、この日の授業は締めくくられました。

コーチの失敗談から
生徒に多くのことを学んでほしい

授業終了後、プロジェクトに参加する生徒を間近に見ている1年生の担任先生に、これまでのリアルドラゴン桜授業の感想をお聞きしました。

―プロジェクトがスタートした時はどんな想いをお持ちでしたか?

先生:2年後に希望する進学先に行くための、1つのきっかけになってくれたらいいと思いました。1年生という早い段階で、こういう機会をいただけるのは、とてもありがたいことだと思っています。

―授業を見ての感想は?

先生:現役東大生の実体験は、生徒たちにとってもとてもためになるのではないかと思います。まだ自分の勉強にどう生かしていくか理解しきれていない部分もあるかもしれませんが、これから徐々に、日々の勉強に取り入れていってもらえたら嬉しいですね。

―生徒たちに変化は見られますか?

先生:まだ3回目なのですが、リアルドラゴン桜授業を受けた次の日は、教室でその話題が出ています。授業後は勉強に対する意識も高まっているので、あとは授業がない間にも、どう意識を持続させられるかが課題だなと感じています。

―今後の授業に期待することは?

先生:ご自身の失敗談などもどんどんお話いただけると良いですね。失敗から何を学んだか、どう改善していったかというお話は、彼・彼女たちも自分につなげやすいと思いますので、これからもいろいろお聞きできたらと思います。

先生と生徒が一丸となって取り組んでいるリアルドラゴン桜プロジェクト。毎回の授業が日々の勉強にどう生かされていくのか、どんな成果を生み出すのか、これからも目が離せません。

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