リアルドラゴン桜プロジェクト

自由ヶ丘学園高校

Vol03
2020.8.2、2020.10.3
STEAM教育・ICT教育をはじめとした改革で新時代を切り開く人材を育てる

自由ヶ丘学園高校では、数多くの学校教育改革を実施しています。大学入試改革への対応だけでなく、これからの新時代に対応し、切り開いていく力を生徒が身につけるための改革です。8月におこなわれたオープンスクールと、10月におこなわれた学校説明会で説明された内容をご紹介しましょう。

ICTの活用で、いち早く
通常と同等の授業を再開

オープンスクールでの田中道久校長の挨拶は、コロナ禍への対応の説明からはじまりました。

4月に緊急事態宣言が発令されたため、自由ヶ丘学園も入学式を実施できなくなったそうです。そこで、1年生はChromebookを1人1台持つことになっていたため、まずは端末を生徒に届けることからはじまりました。不安になっている生徒と、先生がコミュニケーションできる環境を作るためです。

並行して、学校ではリアルタイム・双方向型の授業ができるように準備をしました。映像を生徒に一方的に送るのではなく、生徒から質問や発言が同時にできる状態を目指したのです。この準備が、のちの学校再開後に役立つことになります。

5月にオンライン授業を開始し、6月に緊急事態宣言が解除されると分散登校がはじまりました。感染予防のため生徒の半数は登校し、半数は自宅待機という運用方法です。ここで役立ったのが、すでに開始していたオンラインの双方向授業でした。自宅にいる生徒も、教室にいる生徒と同じ授業を、同時に受けることができたのです。回答や質問もリアルタイムでできるので、通常と同じ授業を受けることができました。

こうした取り組みの意図を、校長先生に聞きました。
「とにかく早く生徒たちとつながり、安心させてあげたいという想いからスタートしました。幸い、以前からICT教育に力を入れていたため、環境は整備されていました。生徒全員に端末を配付する準備もできていたので、初期対応は早かったと思います。また、生徒たちに学びの機会を提供したいという先生方の熱い想いがあったことも、忘れてはならないと思います。スムーズに実行できたのは、生徒の端末設定からオンライン授業の準備まで、すべての先生が力を合わせて努力した結果だと思っています」。

最後に校長先生は、こう語りました。
「本校の校訓は『人に親しまれ信頼される人間になれ』です。この校訓には、豊かな教養を身に付け、謙虚な姿勢と自信を持った人間へと成長し、3年後には新たな世界へと大きく羽ばたいてほしいという願いが込められています。これから大きく社会は変わります。ですから、我々も大きく変わらなければなりません。本校の教育は、知識を教えることから、知識を使って何ができるかを考える力をつけるように変化しています。ICT教育だけでなく、STEAM教育や特色ある6つのコースを設けました。こうした環境を存分に活かし、これからの時代を生き抜き、挑戦し続ける生徒が育ってほしいと願っています」。

今後必要となる力をつける
STEAM教育

自由ヶ丘学園の大きな特徴のひとつである、STEAM教育についてご紹介しましょう。

STEAM教育とは、様々な分野の知識を使って複雑な問題を解決する力をつける教育のことです。この「STEAM」は、以下の5つの単語の頭文字を繋ぎ合わせてできています。
S Science(科学)
T Technology(技術)
E Engineering(工学)
A Art(芸術)
M Mathematics(数学)

複雑で変化が激しい現代社会では、「いつ、どのような問題に直面するか」を予測することが難しくなっています。そのため、問題に直面してから必要な知識を効率的に集め、問題の本質を理解し、仮説を立てて、プロジェクトチームの仲間と共に試行錯誤を繰り返すという柔軟な生き方や働き方が、ますます増えていくと考えられます。こうした力をつけるために海外で考案され、近年、非常に注目されているのがSTEAM教育です。日本でも文部科学省や経済産業省が、このSTEAM教育を推奨しています。

STEAM教育を担当する今井先生は、説明会で次のように説明しました。
「私がイリノイ大学で研究をしていた時、周囲の人はみな、学ぶことや新しいことを生み出すことが好きで、仕事を楽しんでいました。また次々と新しい知識を学びながら、自分の能力を必要としている企業や大学へ自由に行き来して、必要に応じてプロジェクトチームを編成して新しい課題に向き合っていました。不確実な社会の中で自分の道を強く切り開いていく人たちは、このようにチャレンジ精神が旺盛で、自分の得意分野を常に更新していく自己研鑽力の高い人、そして多様性や異文化に理解があり、いろいろな人たちと協働できるという特徴を持っていたのです」。

「欧米では、自分の考えを人の前で説明するという習慣があります。しかも欧米の文化圏はいろんな国の人が入ってきていますので、違う文化圏の人にわかりやすく説明する技術が必要となります。日本もいろいろな人と一緒に仕事をする社会になってきていますので、生徒たちはこうした『説明する力』がどうしても必要になってきます」。

こうした考えのもと、自由ヶ丘学園の生徒たちはまず、自分が何に興味を持っているのかを時間をかけて考えるそうです。そして興味を持った内容について探求していきます。自分がまったく知らない分野に興味を持った場合、世界の研究者や大学生からアドバイスをもらえる体制もあるそうです。そして最後に、一年間いろいろと考えて調査した結果を社会にプレゼンテーションします。これも世界の優れたプレゼンテーションを学べるTEDを活用し、準備を進めていきます。

最後に今井先生は、こう語りました。「生徒にはひとりひとり、異なる才能があります。その才能に気が付かず、伸ばさないことはとてももったいない。生徒と一緒にSTEAMの授業を通じ、新しい才能を発見していければと思っています」。

6つのコースを用意したのは
未来を担う生徒の夢を叶えるため

続いて、滝口教頭先生から6つのコースの説明がありました。挨拶をフランス語・中国語・英語そして日本語の4ヶ国語でおこなった滝口教頭先生は、こう語ります。

「本校には6つのコースがあります。一般的な高校と比べると、とても多いと思います。これから、各コースの違いと、なぜこのように多くのコースを用意したのかをご説明します。挨拶を4ヶ国語でおこなった理由も、その中でおわかりいただけるかと思います。
6つのコースは、大きく2つのグループに分けられます。1つ目のグループは自分の学力と志望する大学に応じて用意されています。2つ目は、自分の興味がある分野をとことん突き詰めていくグループです」。

6つのコースの概要は以下のとおりです。

★学力に応じた3コース
■特別選抜 プログレス(PG)コース
・国公立大、難関私大(早稲田、慶應義塾)を目指すコース
・新しいことに挑戦することで社会をよりよく変革していける人材(アントレプレナーシップ)の育成
・東大生による授業、リアルドラゴン桜プロジェクトの実施
・国公立大在学(東大など)のチューターによる個別対応やオンライン英会話の実施
・STEAM教育を導入したプレミアム授業を実施

■特別選抜 アドバンス(AD)コース
・早稲田、慶應義塾、GMARCHを目指すコース(私大特化)
・グローバルリーダーシップと探究をテーマに主体的な深い学びと考え抜く力を育成
・広い視野を持って様々な課題研究や体験に取り組み、教科の枠にとらわれない学びに挑戦
・STEAM教育を導入したプレミアム授業を実施

■選抜進学 フロンティア(FR)コース / 総合進学 フロンティア(FR)コース
・GMARCH、日東駒専、大東亜帝国を目指すコース
・体験型や対話型、問題解決型などの主体的な学びを重視し、キャリア教育も含めた多用なプログラムを実施
・基礎・基本を重視し、進学においてAO入試や指定校推薦など様々な受験形態の支援
・地域や企業、大学と連携をとりながら多彩な体験学習を設定し、様々な課題に挑戦

★興味に応じた3コース
■選抜進学 グローバル(GI)コース
・ICU、国際教養、GMARCH、日東駒専を目指すコース
・多文化共生やコミュニケーション力をテーマに、英語力はもとよりグローバルな視野での多様な価値観の醸成
・第二外国語(中国語/フランス語)や哲学などの特色ある授業を実施
・オーストラリアへの修学旅行やカナダ大使館への訪問など、多彩なグローバル体験を実施

■選抜進学 サイエンス(SR)コース
・東京理科大、四工大、GMARCH、日東駒専、理工系の学部学科を目指すコース
・興味関心のある物事を深く掘り下げて調査と実験を重ね、研究データに基づく科学的な思考や判断力を鍛えることで、論理的思考力の育成
・理数系の科目の強化に加えて、理科実験室での実験や実習を重視したカリキュラムを実施
・数学探究や理科実験探究などの特色ある授業や、JAXAへの訪問などの体験学習を実施

■選抜進学 アスリート(AS)コース
・日体大、GMARCH、日東駒専、体育系・スポーツ科学系の学部学科を目指すコース
・高体連携プログラムを活用しながらフィジカルとメンタルの両方を強化し、国際舞台でも活躍できる実力と人間力の育成
・各分野で優れた実績を持つ教員が指導にあたり、学業とスポーツの両立を目標とした特別カリキュラムを実施
・大学受験に必要な科目だけでなく、スポーツ科学やスポーツ栄養学、アスリート心理など特色ある授業を実施

各コースの説明が終わると、滝口教頭先生はこう締めくくりました。
「冒頭に4ヶ国語で挨拶したのは、文系理系ともに最先端の教育を、国際的な視点でおこなっていることを表現するためです。実は私はフランス語の教員です。フランス語の教員が教頭を務める高校は、非常に珍しいと思います。この事実は、本校が本気で国際的な学校になるよう取り組んでいる一つの証拠です。そして、なぜ、このように多くのコースを用意したのか。その理由は、価値観や進路が多様化している現代、未来を担う人材である皆さんの『興味あることをとことん学びたい』、『学力を徹底的に身に付けたい』という気持ちを、より細かなコース設定によりサポートしたいからです。皆さんは、私たちの“未来”であり、“希望”であり、“夢”です。私たちと一緒に、ここで夢をかなえてみませんか?」。

充実した設備

最後に、学内施設が紹介されました。その一部をお伝えしましょう。

実は自由ヶ丘(現在は自由が丘)という地名と駅名は、自由ヶ丘学園が創立されたことに由来して命名されたそうです。自由ヶ丘学園にはとても穏やかな生徒が多い印象を持ちました。その理由を先生に聞くと、おしゃれで治安が良い自由が丘という立地と、『人に親しまれ信頼される人間になれ』の校訓があるからではないかと答えてくれました。

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