自由ヶ丘学園高等学校(以下自由ヶ丘学園)は、来年度から共学となります。そのため、完全予約制の女子受験生限定の学校説明会を、7月上旬に開催しました。反響は大きく、10月8日にも女子受験生限定説明会が満席でとりおこなわれました。今回はその一部をご紹介します。
※記事の内容は10月8日時点のものです。最新の情報は学校ホームページでご確認ください。
校長あいさつ:共学化の背景と、私が大切にしていること
説明会は、田中道久校長先生のあいさつで始まりました。
田中校長先生はまず、自由ヶ丘学園の歴史と共学化の背景について語りはじめました。
「自由ヶ丘学園は93年間、自由が丘の街と共に歩んできました。本校の生徒はとてもおおらかです。自由が丘の街が穏やかで、落ち着いているからかもしれません」。
「来年度最大のトピックは、共学化です。その背景について、これからお話します。ひとことで申し上げると、新しい価値を生み出す、新しい学びを実現するためです」。
「いま、社会の変化はますます加速しています。グローバルな視野で新たなイノベーションを起こす、新しい時代を迎えようとしているのです。この新しい時代に求められるのは、多様性を理解し、国際的な教養や科学的な思考とともに情報を正しく判断する力や、世界の人々と協働・共創しながら新しい価値を創造し構築できる人材です」。
「そのために、本校では数多くの教育改革を推進してきました。アクティブラーニングやクリティカルシンキング、STEAM教育などの新しい学びを取り入れ、一定の成果が見えてきました。そこで、さらなる教育改革を進めようと考えた時に、どうしても必要だと判断したのが共学化だったのです」。
続いて田中校長先生は、いつも生徒に話しかけていることを語りました。その内容は3つで、概要は以下のとおりです。
「私が大切だと思っていることが3つあります。1つ目は“Select”です。選ぶという行為には、判断する力と責任も伴います。受験時には本校の7つのコースから選ぶことになります。入学後は、推奨通学路以外のお店に立ち寄ってもかまいません。毎日の生活を通じて、選択する行為と責任について触れ、考えてほしいのです。この経験は、その後の人生にも繋がります」。
「2つ目は“Enjoy”です。とにかく、高校生活を楽しんでほしいと思っています。毎日の授業、部活、友人との会話、学校のイベント、そのすべてを楽しんでください。貴重な青春の時間を、豊かなものにしてほしいと思っています」。
「3つ目は“Try”です。挑戦することは、怖いかもしれません。しかし、挑戦することによって、大きな自信を得ることができます。失敗したとしても、そこから学ぶことができます。変化と競争を恐れず、3年間、さまざまなことに挑戦して欲しいのです。その経験は、卒業後の人生にも必ず役立つと信じています」。
田中校長先生による、共学化の背景と大切に思っていることの説明は簡潔でわかりやすく、多くの参加者がうなずいていました。
学校概要: 3つのコアと7つのコース
次のプログラムは、新福先生と松尾先生による学校概要の説明です。もっとも特徴的な7つのコースについて、概要と活動例が紹介されました。その一部をご紹介しましょう。
■PGプログレス(海外・国公立・難関私大)コース
概要:あらゆる分野に精通する学びにふれ、高い学力と国際教養を身につける
活動例:早稲田大学に進学した卒業生の講話とコメント紹介
「大学受験は、人生を変える最大のチャンスです」
■ILA国際教養 コース
概要:国際的な言語能力と知識を育み、豊かな教養を身につける
活動例:英検1級、フランス語検定1級に合格し、立教大学に進学した事例紹介
立教大学の留学生との交流なども実施
■STEAM理数 コース
概要:理数を中心に様々な分野の研究にふれ、創造力を高める
活動例:外部コンテストへの参加や、東大の研究室を訪問し、実際に最先端の研究が行われている場を見学
■GIグローバルイノベーション コース
概要:グローバルな視野で多様な価値観を広げる
活動例:フランス語コンクールでの発表など
■SRサイエンスリサーチ コース
概要:興味関心を掘り下げ、調査や実験・研究に基づいて探究する
活動例:JAXA訪問、つくばサイエンスツアー
■ASアスリートサイエンス コース
概要:スポーツ競技者だけでなく、スポーツを支える視点からスポーツ科学・栄養学・心理学などを学ぶ
活動例:レスリング部のインターハイ優勝、テーピング講習など
■HS文理(ヒューマニティ&サイエンス) コース
概要:文系と理系の融合を特色とし、グローバルな視野で総合的な学びを行う
活動例:世界的なIT企業によるデジタル教室を日本で初めて実施し、多くのTV取材を受けた
新福先生と松尾先生の説明は簡潔でわかりやすく、活動例の紹介によりイメージがしやすいものでした。
学校生活:共学化に向けた準備と、毎日の生活
次に、立石先生が学校生活の様子を紹介しました。また、来年度からの共学に向けてどのように準備が進んでいるかも説明されました。
共学化に向けた準備
立石先生はまず、共学化に向けた準備について語りました。
「自由が丘は、洗練された街並みとして有名です。自由が丘駅前は再開発が進行中で、大きな商業施設が完成予定です。自由ヶ丘学園も、共学化に向けたリニュアルが進行中です。女子化粧室は3か所が完成済みで、セキュリティー強化のためのリニュアルも進めています」。
「制服のデザインも決まっています。夏冬の正装の他に多くのオプションがあり、ネクタイやリボンも多彩で、自由に選ぶことができます」。
毎日の生活
次に、標準的な1日のスケジュールが紹介されました。その概要は次のとおりです。
・朝学習 8:00~
コースごとに英検・数検・模試対策などの学習
・午前授業 8:30~ 45分×4コマ
1人1台のChromebook、オンライン授業、全校にWi-Fiを完備するなど、充実したICT教育環境も完備
・昼休み 12:00~
基本は弁当持参で、希望者には弁当販売もあり
来年度からはキッチンカーも導入予定で、女子生徒に人気があるメニューも検討中
・午後授業 12:45~ 45分×3コマ
通常の授業の他に、企業と連携した授業もある
企業訪問や、企業の人に来ていただく授業も実施
・放課後
ネイティブ教師によるグローバル・ラウンジ、学習支援センターの利用が可能
学習支援センターでは自習のほか、難関大学の現役大学生コーチによる指導も受けられる
部活は運動部が15団体、文化部が9団体で、参加している生徒は7-8割
ダンス部など、女子生徒向けの部活も準備している
・帰宅
推奨通学路沿いには有名なパティシエの店舗があるほか、自由が丘には多くの洗練されたショップがある
学校内にはおすすめスポットも掲示されている
その他にも鳳凰祭(文化祭)や沖縄への修学旅行のようすなどが紹介され、最後に立石先生は次のようにまとめました。
「勉強・部活・学校行事のどれも、メリハリをつけて楽しみながら、全力で取り組んでほしいと思っています」。
海外との交流:豊富なプログラム
次に、今井先生が海外交流の事例を紹介しました。今井先生はまず、こう語りかけました。
「海外に友達を作り、話をしたいと思う人はいますか?」
多くの生徒が手をあげます。
今井先生は笑顔で、こう続けました。
「ご安心ください。自由ヶ丘学園には豊富な海外との交流機会があります。今から、その一部をご紹介します」。
今井先生もイリノイ大学への留学経験があり、自身の体験談を語りました。
そして自由ヶ丘学園の海外交流について、紹介されました。
その特徴は、オンライン交流・短期留学・中期留学・長期留学と、豊富なプログラムが用意されている点です。
たとえば10日間のセブ島語学留学、3か月間のニュージーランド留学などの実績があり、
期間もさまざま。自分に合ったプログラムを選ぶことができる点が大きなメリットといえます。
次に募集要項の説明があり、この日の説明会は終わりました。
最後に強調されていたのは、募集人数は270名ですが、男女別の定員を定めてはいないということです。多くの参加者は、この点を高く評価していたようです。親子でうなずきあう姿が、多数見られました。
また説明会終了後の個別相談会には、多くの方が参加していました。共学化に対して、大きな反響があることが実感できます。これまでの歴史と校訓を大切にしながらも、新しい教育の実現を目指し、新たな一歩を踏み出す自由ヶ丘学園の今後が楽しみです。
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