リアルドラゴン桜プロジェクト

日本大学櫻丘高等学校

Vol 05
2019.8.26・27
東大生を2日間、
最大限に活用しよう!

8月下旬、日大櫻丘高校の生徒たちが日本大学文理学部 山中湖セミナーハウスに集まりました。これから2日間、山中湖に近く豊かな木々に囲まれたこの場所で、夏休み特訓が行われます。この特訓には西岡コーチのほかに5名、計6名の東大生も参加します。はたしてどのような特訓がおこなわれるのでしょうか?

みなさんは日本で一番
幸せな高校生です

特訓の冒頭で、西岡コーチはこう語り始めました。「今回、2日間の夏休み特訓には、僕を含めて6名の東大生が参加します。しかも経歴がすごい人たちばかりです。東大模試で全国一位になった人や、世界史にとても詳しく、一年間休学してガーナに行った人もいます。この人たちに、勉強でわからない点をどんどん質問するのもよいでしょう。4年生で就職が決まっている人もふたりいます。彼らに、就職など将来を考えた時の質問をするのもよいでしょう。もちろん全員、東大に合格できる勉強方法を知っています。自分の性格にあった勉強方法などを聞くのも良いでしょう。まず認識してほしいのは、みなさんは今日、日本で一番幸せな高校生だということです。6人もの東大生が、自分の経験をもとにみなさんの質問に何でも答えてくれるのです。だから、僕たちを存分に活用してください。とても貴重な時間を、決して無駄にしないようにお願いします」。

6人の、しかも優秀な東大生を目の前にして、生徒たちの顔色が変わりました。自分たちがとても恵まれた場にいることを感じたようです。こうして夏休み特訓はスタートしました。

この2日間、みなさんを
大人だと思って対応します

冒頭の挨拶に続き、西岡コーチはこう語りました。「もうひとつ、この夏休み特訓で大切にしたいことを話します。僕たちは、みなさんを『大人』とみなして行動します。2020年入試については、みなさんもたくさんの情報を得ていると思います。3本の柱で思考力・判断力・表現力が大切だということも知っていると思います。これは突き詰めると、『大人』になれということです。そして『大人』になるために大切なキーワードは『主体性』です。これは今までのリアルドラゴン桜プロジェクトの授業でも言い続けてきたことですが、主に勉強への取り組み姿勢として大切だと言ってきました。しかし、いまお話しているのはもう少し広い意味です。主体的にみずから情報を取りに行き、ITを活用して情報戦に勝ってくださいという話なのです。具体的な話をしましょう。今年合格した東大生の中に、沖縄の離島出身の人がいました。島には塾がないので、彼はスタディサプリなどを最大限に活用したそうです。ITを使いこなせば、ハンデがなくなるという実例です。情報戦に勝つという話もしましょう。2020のプレテストはホームページですでに見ることができます。これを見た人はいますか?実はあまり見た人はいないのです。これを早く見て、対策を取れるかどうか。早く対策を取った人は、当然有利になります。これが情報戦に勝つということです」。

「こうしたITの活用と情報戦に勝つことを実感できるように、今回、あるアプリを使いたいと思います。Sli.doというアプリです。実際に、東大の授業やゼミで僕たちがよく使っているものです。簡単に説明すると、匿名で質問ができるアプリです。誰かが質問をすると、その返答を全員で見ることができます。他人の質問も、自分が活用することができるのです。ITの活用と情報戦に勝つということを、このアプリを使って体験してください。良い質問をした人は、同じような疑問を持つ他の利用者に感謝されます。匿名のアプリですが、ちゃんとした『大人』が使えば、極めて便利で変なことにはなりません。ぜひ、『大人』としてこのアプリを活用してください。冒頭から厳しい話をしましたが、『大人』にならなければ生き残ることができなくなります。だからこそ、この機会を最大限に活用してくださいね」。

生徒たちは学校から提供された一人一台のタブレットや自分のスマートフォンに、アプリをダウンロードしはじめました。「固く考えずに、まずは挨拶とか何でもいいから入れてみてください。2日間、質問があれば何でもここに入れてくださいね」という西岡コーチの説明を聞くや否や、生徒たちは入力をはじめます。すぐに反映されるコメントを見て、さっそく生徒たちからは歓声が上がりました。

東大生から、貴重な
アドバイスをもらおう!

次に西岡コーチはこう語りました。「ここまで大切な話をお伝えしてきましたが、実践に入りましょう。これから東大生との座談会を行います。みなさんを6つのグループに分け、6人の東大生が順番に回ります。冒頭にお話をしたとおり、彼らに何を質問してもかまいません。みなさん自身が疑問に思うことや悩んでいることを、主体的に考えて質問をしてください」。

最初は少し控えめだった生徒たちですが、すぐに積極的に質問をはじめました。印象的だったのは、東大生の特徴に合わせた質問が多く出ていたことです。たとえば東大模試で全国一位を取った安部さんに対しては、具体的な勉強方法や心構えに関する質問が相次ぎました。安部さんは「基礎が一番大切。だから高校生なら高1の勉強が一番大切です。ここで基礎が固まっていないと、受験に間違いなく影響します。あとは気持ち。どれだけ志望校へ行きたいかという想いが、結果にもあらわれます。僕は11月の模試でかなり成績が良かったのですが、その影響で緊張感が途切れてモチベーションが下がりました。幸い東大に合格はしたものの、かなり危険な状態でした。僕みたいにはならないでほしいです」と語りました。経験者が発する言葉の重みに、生徒たちは真剣な表情で聞き入っていました。

一方で、笑いに包まれるグループもありました。ガーナに一年間行っていた臼井さんは、ガーナでの体験を面白おかしく語りながら、歴史を学ぶ理由や意義について説明していました。日本に住んでいるだけでは決して知ることができない情報を、次から次に教えてくれます。生徒からは「世界史をそのような視点で考えたこともなかった」と、感嘆の声が漏れていました。

何をするかは、自分で
主体的に決めてください

刺激的な座談会の時間が終わりました。西岡コーチはこう語ります。「ここまではスケジュールを事前に決めていました。しかし、今から何をするかは、みなさんにお任せします。自分で主体的に決めてください。とはいえ、何もないと困るかもしれないので、準備はしてあります。基礎を固めるための問題集や、プリント問題はこちらで用意しました。自分の弱点をおぎなうのもいいですし、長所をさらに伸ばすのもいいでしょう。東大生たちに、さらに深く話を聞くというのもいいですね。すべて、自分で決めてください。食事と入浴の時間以外は、すべて自由です」。

最初は戸惑っていた生徒たちですが、すぐに各自の考えで動きはじめました。苦手科目の問題集を一冊すべてやると宣言して始める生徒や、プリントの問題を解き始める生徒、さらにはスタディサプリの動画授業を視聴する生徒など、全員が自分で考えて行動しています。時間がたつと、座談会の話の続きを聞きたいという生徒が東大生を囲んだり、セミナールームから出てロビーで勉強をし始める生徒も出てきました。内容も場所もバラバラなその様子を見て、西岡コーチは「すばらしいですね。自分で考えて行動していることに意義があるのです」と、目を細めて満足そうな表情を浮かべていました。この状況は深夜まで、そして翌日も続き、2日間の夏休み特訓が終わりました。

2日間でもっとも多くの問題を解いた生徒の表彰がおこなわれたあと、西岡コーチはこう締めくくりました。「みなさんは主体的に行動しました。これは素晴らしいことです。ぜひ、これからもその姿勢を忘れないでください」。

最後に生徒たちの声をご紹介しましょう。
・東大生のアドバイスが明快で、本当にためになった
・日本一幸せな高校生だと言われたが、本当にそう感じて感謝しています
・これからも主体的に行動していきます。その意味がわかりました
・『大人』な行動をすることは難しいが、意識していきたいです
・もっと座談会の時間がほしいと思ったほど、東大生の話は刺激的でした

生徒たちは6人の東大生との濃密な2日間を、最大限に活用していました。これからの行動に、きっと大きな変化が起きることでしょう。