リアルドラゴン桜プロジェクト

日本大学櫻丘高等学校

Vol05
2020.10.24
受験だけでなく社会に出てからも役に立つ“戦略的思考”を学ぼう

10月下旬に日大櫻丘高校では初となる、対面でのリアルドラゴン桜授業がおこなわれました。初の対面授業を、生徒たちは心待ちにしていたようです。東大生のコーチが教室に入ると、拍手が起きました。この日のテーマは“戦略的思考”。授業の様子と、生徒の感想をお伝えします。

すべての場面で役に立つ
“戦略的思考”

この日は西岡コーチのほかに、3人の東大生コーチが参加しました。法学部への進学が内定している2年生の高橋コーチ、同じく法学部への進学が内定している2年生の安部コーチ、さらに法学部4年生の正司コーチです。

授業は高橋コーチの解説ではじまりました。「今日は“戦略的思考”について学びましょう。たとえば、ものすごく勉強をしたのにもかかわらず、成績があまり上がらないことがあります。その場合、正しく努力していない可能性が考えられます。そのようなことが起きないようにするために、“戦略的思考”を身につけてほしいのです」。

高橋コーチの解説によると、“戦略的思考”は以下のプロセスに分けられるそうです。
1:現状分析---現在の状態を正しく把握する。今の自分はどんな状態?
2:理想把握---どのようになりたいかを考える。どんな自分になりたい?
3:方法論構築---1と2のギャップを埋める具体策を考える。具体的に何をする?

高橋コーチは続けます。「この理屈はシンプルです。しかし、3の方法論構築をいきなりやりがちです。『次のテストでは良い点を取ろう』と思うのは、よくあるかと思います。これが、正しくない努力のパターンなのです。1の現状分析や2の理想把握ができていないと、成果が出にくくなります」。

「みなさんがどこかへ行こうとする時に使う、ナビのアプリがこの構造なのでわかりやすいと思います。たとえば学校から秋葉原に行こうとする時には、1:現状分析---桜上水駅、2:理想把握---秋葉原、3:方法論構築---複数の経路表示 となります。選択肢には早く行く、安く行くなどの候補が表示されるので、みなさんはその中から最適なものを選びますよね? 1と2が明確に決まっていないと、最適な3が選べないことがわかると思います。勉強でもまったく同じです。この“戦略的思考”の考え方を身につけるために、簡単な例でワークをやってみましょう」。

こうして生徒たちはワークにとりかかりました。問題は、「彼女がいない、このような外見の友達に、アドバイスをしよう」です。生徒たちは“戦略的思考”に沿って、解決策を考えていきます。

そして方法論構築の発表がおこなわれ、生徒たちは盛り上がりました。
「メガネが個性的すぎて似合っていないので、メガネを変える!」
「まずは美容院に行って、ボサボサの髪をカットする!」

発表を聞いた高橋コーチは、こう語りました。「みなさんのアドバイスは、どれも的確です。ここで注意してほしいのは、現状分析と理想把握をどのように設定するかで、解決策となる方法論構築が変わってくるということです。ボサボサの髪の毛に着目したから、解決策として美容院に行くという順番であることに注目して下さい。勉強も同じで、現状分析と理想把握が最も大切です。これが正しくできれば、方法論構築はそれほど難しくありません」。

“戦略的思考”を体感した生徒たちは、その後もより複雑な条件が設定された問題でワークを続けました。

時間を意識して
“戦略的思考”を実践しよう

授業の後半を担当するのは安部コーチです。冒頭、安部コーチはこう語りました。

「みなさんは“戦略的思考”を学びましたが、勉強の場合、これだけだと実践が難しい時があります。その理由は、“時間”の概念が入っていないからです。勉強の計画を立てるときには、“時間”を意識する必要があります。そこで、今から“時間”を意識した“戦略的思考”について学びたいと思います」。

「もっとも大切なのは、“分解”することです。たとえば理想把握の場合、漠然と1年後の理想を考えるのではなく、1年を1月、1週、1日に分解します。1年後になりたい理想を、1ヶ月後はどうなりたいか、1週間後にはどうなりたいか、1日でどうなりたいかと分解するのです。目標の大学に合格するという理想と、そのために今日は何を勉強するかが繋がっていないと、今日は何を勉強すればよいかが決められないですよね?そのギャップを埋めるのです」。

安部コーチはその後、具体的な分解の方法を解説していきました。
たとえば現状分析の場合、3つのSTEPでおこないます。

STEP1:目の前の問題を分解し、小さくする
STEP2:分解したそれぞれの問題における、失敗とその理由を発見する
STEP3:分解したそれぞれの問題における、成功とその理由を発見する

安部コーチはこう続けます。「理想把握でも“分解”という考え方は同じです。付け加えると、出来る限り具体的で、数字で把握できるものが理想です。その理由は、後で達成したかどうかを振り返ることが出来るからです。これができると、方法論構築もシンプルになります。現状と理想の差を埋めるだけなのであとはやるだけで良くなります」。

その後生徒たちは、自分自身の英語や数学を題材にし、“時間”と“分解”を取り入れたワークをおこないました。1ヶ月後に英語でどうなっていたいのか、そのために今週は何をやるのか、今日は何をやるのかを考え、シートに記入していきます。

1ヶ月後の状態と、今日やる勉強が繋がることに、生徒たちは納得したようです。「そういうことか!」という声が、あちこちであがりました。

授業の最後に東大生コーチから生徒に向けて、次のような言葉が送られました。

西岡コーチ:この考え方は、受験だけでなく社会に出てからも使えます。実際に仕事で使われている考え方なので、人生の役に立つと信じて身につけて下さい。
高橋コーチ:勉強の計画の立て方を1年でわかっていると、2年生や3年になってからも効率的に勉強することができます。頑張ってください!
安部コーチ:努力は報われるという有名な言葉は、残酷だが間違いだと思っています。がむしゃらに勉強しても、報われないことがあるのです。正確に言うと、正しく考えてやった努力は報われるということです。今日の授業を参考に、日々の勉強で正しく努力をすれば報われると思います。

生徒たちはこの日の授業でおこなったワークによって、多くのことに共感できたのでしょう。東大生コーチの言葉に、真剣な眼差しでうなずいていました。

生徒インタビュー

授業の終了後に、生徒2名に感想を聞きました。T.A.くんとG.Aくんは何を感じたのでしょうか。彼らの率直な想いをお伝えします。

T.A.くん

G.Aくん

■リアルドラゴン桜授業を受けた感想を聞かせて下さい
T.A.くん:東大生の体験談を聞き、過去の自分の行動と照らし合わせることで参考になることが多いです。東大生は努力して合格を勝ち取りました。その言葉は本当に貴重だと思います。

G.Aくん:がむしゃらな努力ではなく、正しく努力をしなさいという言葉は、その通りにやった人だからこそ言えるのだと思います。ですから説得力が違います。今日の授業もとても勉強になりました。また、以前の授業でリクルート社員の方との座談会がありました。その際、「会社は自分がしたいことを実現する場だ」と聞きました。それまでは、会社に所属したらその組織に所属し、言われた仕事をやるのだと思っていました。自分が実現したいことに会社を使うという視点は今までになかったので、新鮮で勉強になりました。

■印象に残っている言葉は何ですか?
G.Aくん:僕は文系を選択したので、テストで理科などの科目は受験に必要がない無駄なものだと思っていました。これも座談会の時の話ですが、「将来役に立つから、1年生であれば(理科も)きちんと勉強したほうが良い」とアドバイスされました。理系科目も将来役に立つという発想がなかったので驚きましたが、すべての経験が活かせるという話が印象に残りました。先日の中間テストでもそのように感じることがあり、感謝しています。

■今日が初の対面授業でした。感想を聞かせてください。
T.A.くん:東大生の“オーラ”を感じました(笑)。テレビの画面で東大生を見ることはありますが、実際に目の前に立っているというのは感じ方が違います。

G.Aくん:一方で、東大生は違う世界の人ではなく、自分と同じ人間なのだと思いました。とてつもなく努力をした、普通の人なのだと感じたのです。「努力をしよう」と話す時の熱量を感じられたのが、対面授業の良い点だと思います。また、僕は質問をたくさんするのですが、タイムラグなしに答えてもらえるので助かりました。今日もワークの途中でコーチが巡回している時に質問できました。

T.A.くん:確かにそうですね。1対1で会話すると、質問の答えが心に響きます。だから僕は対面授業の方が好きです。

G.Aくん:僕も同感です。今までのリアルドラゴン桜授業の中で、もっとも良かったです。状況が許せばですが、今後もぜひ対面授業をやっていただければ嬉しいです。その際は、一言も漏らさずに吸収したいと思っています。

生徒たちは対面授業のさまざまな利点を感じたようです。今後も、一言も漏らさずに吸収したいという言葉が印象に残りました。

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