リアルドラゴン桜プロジェクト

学校法人誠恵学院 誠恵高等学校

Vol07
2021.2.10
入試本番を想定して勉強しよう

2月10日に、リアルドラゴン桜授業がおこなわれました。この日のテーマは“本番思考をしよう”です。大学入試共通テストが終わった直後のタイミングなので、実際に出された問題を題材に、入試本番で最大の結果を残すために意識すべきことを学びます。また、先生にお話を伺うことができました。リアルドラゴン桜プロジェクトを、先生はどう捉えているのでしょう? 授業の内容とあわせてご紹介します。

試験問題を解く順番は、決まっている

授業の事前準備で、1・2年生は指定された共通テストの問題を解いてきました。冒頭、西岡コーチはこう問いかけます。「共通テストを解いてみて、どう感じましたか?」。

「思ったより解けた」、「難しかった」などと感想を答えた生徒たちに、西岡コーチはこう語りました。

「3年生はこの問題に、本番として臨みました。みなさんも、1年後、あるいは2年後に、本番で解くことになるのです。つまり今はできなくても、勉強をして、本番で解けるようにならないといけません。みなさんにも、必ず本番が来るのです」。

「受験では、本番がすべてです。ですから、いま勉強をしている内容が、本番の試験で活かすことができるのかを意識しましょう。本番で意味がないことをやっていないかを、常に考えるのです」。

西岡コーチはこう言うと、生徒たちに英語のリーディング問題の配点表を見せ、どの問題から解くべきかを考えるように言いました。生徒たちがその考えを答え終わると、西岡コーチは解説をはじめました。

西岡コーチによると、試験で問題を解く順番は決まっているそうです。
①最初に解く問題:自分が確実に解けるだろうと思われる問題を探し、その問題から解きはじめる
理由:どんな問題でも、解けなければ点が取れない。解ける問題を正解し、確実に点を取る

②次に解く問題:解けるかどうかわからないが、配点が高くて部分点が取れそうな問題を解く
理由:部分点でもよいから、1点を取る努力をする

③最後に解く問題:時間があれば、配点が低くて難しい問題に取り組む
理由:最後まであきらめない。時間が余っていれば、とにかく粘って1点でも取る

「問題は、この順番で解くのです。頭から順に解くのではなく、問題が配られたら、まずはすべての問題に目を通してください。そして解く順番を決めてから、取りかかるのです。実際に僕が教えた生徒は、この方法で数学の点数が25点上がりました」。

「浪人した東大生で、現役の時は1点差とか3点差で落ちたという人はたくさんいます。1点でも足りなければ、不合格なのです。どうしてもその大学に行きたければ、1年間浪人することになります。だからいまお伝えした内容を、単なるテクニックだと思わないでください。真剣に、本番で1点を取りに行くことを考えてほしいのです。普段の試験や模試で実践し、完全に身につけてください」。

生徒たちは本番での1点の重みを、とても強く感じたようです。

問題文に、ヒントが隠されている

次に学んだのは、大学入試共通テストの特徴です。西岡コーチはこう語りました。

「共通テストの問題文は、センター試験より長くなったことに気がついたと思います。これをみなさんは、どう捉えますか?問題文が長くなって厳しくなったと捉えるのは間違いです。今回の共通テストから学べることを、お話します」。

「まず、問題文が長くても選択肢の内容は以前と変わらないということです。これまでの授業で、たとえば国語の選択肢で、言い切っているものは正解ではないことが多いと学びました。今回も同じです。ですから今まで学んだ通り、言い切っているものと確実に違うものを除き、正解っぽい、あるいは誤答っぽいものから客観的に選べば大丈夫です」。

「他にも学べることがあります。問題文の本文ではなく、リード文や解説が多くなったことに気がつきましたか? 実はここに、ヒントが隠されていることが多かったのです」。

西岡コーチによると、ただでさえ長くなった本文に加えてリード文や解説があるということは、そこに何らかの意図があり、ヒントが隠されていると考えるべきだというのです。

「ミステリー小説でも、伏線がありますよね? 途中でおや?と思う場面や説明があって、犯人がわかった後に、その場面に犯人のヒントが隠されていたことがわかるという経験をした人は多いと思います。それと同じです。すぐに本文を読み始めるのではなく、リード文や注釈はヒントにならないか?と考える癖をつけてください」。

その後、生徒たちはさまざまなワークで、本番思考を学びました。きっとこれからの勉強でも、本番当日を意識して学び続けることでしょう。

先生の想い:諸喜田先生

授業の終了後、3年生の担任で副主任の諸喜田先生に、リアルドラゴン桜プロジェクトの感想をお聞きしました。

---リアルドラゴン桜プロジェクトの感想をお聞かせください
諸喜田先生:今年度のリアルドラゴン桜授業では、講義だけでなく問題演習を増やしていただきたいとお願いしました。生徒が実際に思考する機会を増やしたいという考えだったのですが、とても効果的だったと感じています。授業後に生徒たちが、「あの時の問題は、授業でコーチに教わった事を応用すればよいよね」と会話していたりするようになりました。生徒がより主体的に、自学自習を進められるようになったと思います。

---参加した生徒の変化は感じますか?
諸喜田先生:もちろんです。たとえば今の3年生が2年生になった頃は、やれと言われたことをやっていました。ところが今は、自主的に勉強をしています。質問や解説を先生に求める回数も、格段に増えました。もちろん成績も良くなっています。自学自習の習慣は、完全に体に染みついていると思います。

今日の授業も、3年生は自由登校期間なので、参加は自由でした。しかし本人たちは、喜んで自主的に参加していました。きっとこの授業が大好きなのでしょう。

---生徒に自学自習の習慣がついたこと以外に、リアルドラゴン桜プロジェクトの効果はありましたか?
諸喜田先生:生徒の自己肯定感が高まったことです。3年生が入学した時は、とてもおとなしい生徒でした。ところが徐々に積極的になり、将来の夢を見つけ、大学入試で高い目標を掲げてチャレンジするまでになりました。自学自習の習慣がついて学力が高まったことも嬉しいですが、それよりも彼らが自分に自信を持ってチャレンジするようになったことが、何よりも嬉しく感じます。われわれ教師も日々努力していますが、リアルドラゴン桜プロジェクトの影響も大きかったと思います。西岡コーチ以外にも、さまざまな苦労を乗り越えて、東大に合格したコーチの経験談を聞くことができたからです。チャレンジすることの大切さを感じることができる、とても貴重な機会だったと感じています。

先生の想い:上田先生

最後に、リアルドラゴン桜プロジェクトの推進担当、上田先生にお話を聞きました。

---リアルドラゴン桜プロジェクトを推進する上で、工夫した点を教えて下さい
上田先生:本校の参加者は少数で、希望者のみが参加しています。また、1年生から3年生まで、全学年の生徒が一緒に参加しています。2年続けて参加している生徒もいるため、内容が重ならないように調整をしたり、演習や過去問を増やしてより実践的な内容にしていただくなどの工夫をしました。

---全学年が一緒に授業を受けることのメリットはありましたか?
上田先生:上の学年の生徒が下の学年の生徒にアドバイスをしたり、昨年の体験談を話したりする姿を見て、とても頼もしく感じました。たとえば3年生が「夏休み特訓は、とても充実した貴重な機会だから、絶対に参加したほうが良いよ」と1年生に伝えていました。新型コロナウイルスの感染拡大で実施できませんでしたが、1年生もその話を聞いてとても楽しみにしていたようです。学年は関係なく、一体感を持った仲間のように思えました。

---3年生は、入学時はおとなしかったと聞きました
上田先生:はい、その通りです。しかしいまお話したように、3年生になる頃にはとても積極的になりました。自分で調べたり、先生に質問をするのは当たり前になり、自学自習の習慣も身につきました。その姿を見て、1年生も積極的になったのだと思います。どの参考書を買えばよいか質問するなど、先輩の姿を見て学んでいるように感じます。

少人数の生徒が、主体的に学びを考え、関わり合う場でした。とても貴重で充実した機会だったと感謝しています。

最後に上田先生は、「参加した生徒は、本当に幸せだと思います。自分が高校生の時にこのような機会に触れていたら、もっと良い成績が取れたと思います」と笑顔で語ってくれました。

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