リアルドラゴン桜プロジェクト

学校法人 明徳学園相洋高等学校

Vol04
2020.10.29
【校長先生インタビュー】今語る、プロジェクト参加の理由と生徒への想い

相洋高校でリアルドラゴン桜プロジェクトが始まり1年半が過ぎた10月下旬、杉﨑朗校長先生のお話を伺う機会をいただきました。

難関大学に進学する生徒を多く輩出し、クラブ活動でもスポーツ・文化ともに好成績を収めている相洋高校。全てが順風満帆に思えるこの学校が、リアルドラゴン桜プロジェクトに参加した理由とは? そして、プロジェクトが学校にもたらした変化とは?

杉﨑校長先生の、生徒への温かな想いがあふれるインタビューをお届けします。

生徒が、もっと高みを目指す起爆剤が欲しかった

──まず、あらためて、なぜリアルドラゴン桜プロジェクトへの参加を決意されたのかを教えてください。

杉﨑校長:生徒が自分で自分の限界をつくらずに、もっと高みを目指すきっかけが欲しかった、というのがプロジェクト参加の一番の理由でしょうか。近年の生徒を見ていると、力があるのにその力を出し切らず、「行きたい」ではなく「行ける」という判断軸で進路を選ぶケースが多い気がしていたのです。

──校長先生の中では、相洋高校の生徒さんたちは今出ている結果以上の力があるはずだ、と?

杉﨑校長:その通りです。手前味噌ながら本校には素直で前向きな生徒が多い。けれど、「もう一歩踏み出して高みを目指す」という気持ちをもった生徒は少ないように感じていました。

──相洋高校はいつ伺っても、明るく楽しげな雰囲気が印象的です。学校の居心地がよすぎて、貪欲さのようなものが生まれにくくなっているのかもしれないですね。

杉﨑校長:そうかもしれません(笑)。でも、学校としてはやはり、生徒一人ひとりの力をできる限り引き出し、伸ばしたい。そのためには普段顔を合わせる先生ではなく、プロジェクトで出会う東大生など、外部からの刺激を受けることが起爆剤になるのではと考えたわけです。

──現在、相洋高校は特進コースの2年生、3年生の各1クラスがプロジェクトに参加しています。3年生は昨年度から参加していますが、どのような変化を感じていらっしゃいますか?

杉﨑校長:高3の秋を迎えた今、最も変化を感じるのは生徒たちの志望校です。プロジェクトに参加しているクラスは難関校を目指す生徒の割合が多いのです。

もちろん、全ての生徒が志望校に進学できるかどうかはわかりません。もしかしたら、志望通りの学校に行ける生徒は少ないかもしれない。ですが、大事なのは生徒たちがチャレンジする気持ちをもてたこと。この変化はプロジェクトによって得られたものだと思います。

生徒は確実に変わっている。今後は実践強化にも期待

──本年度から参加している2年生の印象はいかがですか?

杉﨑校長:2年生はちゃんと3年生の後を追い、「行ける大学ではなく、行きたい大学を目指す」というリアルドラゴン桜プロジェクトの世界にすっかり入り込んでいます。まずは勉強や進路に対する意識を変えることが大切だと思うので、プロジェクトの始まりとしては大成功ではないでしょうか。

──指導に当たっている先生方も、プロジェクトの影響を感じていらっしゃるのでしょうか?

杉﨑校長:学級担任や教科担任をはじめ、プロジェクトに参加中の生徒にかかわる先生方はとても協力的ですし、生徒の変化に確かな手ごたえを感じています。とはいえ、あくまでもこのプロジェクトのテーマは大学受験。そういう意味ではまだ結果が出ていませんから、期待と不安が入り混じりながら取り組んでくださっているというのが正直なところだと思います。

──では、今後、このプロジェクトに期待することは?

杉﨑校長:プロジェクトの1年目、つまり2年生に対する方向性やプログラムには非常に満足しています。

西岡コーチはご自身の体験談をまじえながら、明るく前向きな世界へ生徒を引き込んでくださる。西岡コーチのメッセージは、かねてから我々も生徒に伝えてきたことと同じですから、学校・プロジェクト間の方針の食い違いもありません。

西岡コーチは年齢的に生徒たちに近く、生徒からすると頼れるお兄さん的な存在です。しかも、これまではなかなか接する機会がなかった東大生。同じことを伝えるにしても、学校の先生よりも西岡コーチから伝えるほうが生徒に響くことが多く、たくさんのいい刺激をいただきました。

プロジェクト参加2年目となる3年生に対しても、モチベーション維持を力強くサポートしていただいています。おかげで生徒は「もっと過去問を解きたい」「今の自分の力を試したい」という気持ちがどんどん強くなっています。ですから今後は、より実践的なプログラムがあるとプロジェクトの意義がますます深まるのではないかと感じています。

一番の魅力は生徒。自信をもって羽ばたける教育を

──リアルドラゴン桜プロジェクトへの貴重なご意見をいただきましたが、相洋高校ではリアルドラゴン桜授業の後に必ず、プロジェクトスタッフと先生方のミーティングを設けてくださっています。

杉﨑校長:スタッフの方々とのミーティングは大事な時間だと捉えています。というのも、このプロジェクトにはまだまだのびしろがあると考えているからです。だからこそプロジェクト側と学校側が一丸となって、よりよいスタイルを模索する。生徒が生き生きとした人生を歩めるようにサポートしたい気持ちは、我々もスタッフの方々も同じですから。

──あらためて、杉﨑校長先生の生徒を見守る温かさや、先生方の親身な指導は相洋高校の大きな魅力だと感じます。

杉﨑校長:ありがとうございます。でも、本校の一番の魅力は先生でも学校設備でもなく、「生徒自身」。本当に、何がいいって、相洋高校は生徒たちがいいのです。

──おっしゃる通り相洋高校は、明るくて礼儀正しく、素直で気持ちのよい生徒さんばかりです。その要因は、学校の環境にもあるのではないでしょうか?

杉﨑校長:相洋高校には『一人ひとりの相洋スタイル』という言葉があるように、それぞれの生徒の考え方や感じ方、価値観は異なります。かつ、本校は生徒数が多く、さまざまなタイプの友人と出会うことができる。経験豊富な先生もたくさんいますから、生徒同士あるいは先生との語り合いや、ときにはぶつかり合いが、生徒の成長につながっているのかもしれません。

──杉﨑校長先生は、生徒さんたちにどのように成長して欲しいとお考えですか?

杉﨑校長:本校の野球部は、神奈川県の2020年度大会で準優勝しました。強豪校がひしめく神奈川県でこの結果を出すのは並大抵のことではないですが、特進コースの生徒も試合で活躍しています。

そんな風に文武両道を地で行く生徒もいますが、決して、何でもできるようになって欲しいと思っているわけではありません。不得手な部分は最低限カバーできればいいと考えています。

私が最も目指しているのは、「生徒の得手を伸ばすこと」。例えば、勉強をがんばりたい生徒は勉強に打ち込み、ほかのことは不得手でも、3年生までに英検1級を取ったらそれは素晴らしいことだと思うのです。

何か1つ秀でたものをもった生徒は、自信をもつことができます。そうやって自分に、さらには相洋高校という学校に自信をもって、晴れやかに大学や社会へ進む生徒を育てていきたいと思っています。

***

生徒のへの温かな想いと懐の深さが伝わってきた杉﨑校長先生のインタビュー。相洋丸を見守る杉﨑校長先生の存在は、生徒にとって、とても心強いものに違いありません。生徒たちはこれからも、支えてくださる先生方がいる安心感を礎に、受験という荒波の航海を続けます。

Copyright © Mita Norifusa / Cork