リアルドラゴン桜プロジェクト

東亜学園高校

Vol01
2020.5.23
コロナ禍のなか、いち早くオンライン授業をスタートした東亜学園

2020年度のリアルドラゴン桜授業が、5月23日にいよいよ始まりました。新型コロナウイルスの影響により全授業が延期されていましたが、オンライン授業という形でスタートすることになったのです。参加校の中で最初にオンライン授業が行われるのは、本年度から参加する東亜学園高等学校で、特進コースの1年生30名が参加します。オンラインでのリアルドラゴン桜授業は、もちろん初の試みです。はたしてどのような授業になるのでしょう? そして生徒たちは、何を学んでいくのでしょう? これから一年間、生徒たちの変化や成長をレポートしていきます。

スムーズにオンライン授業を実施できた理由

なぜ、東亜学園はいち早くリアルドラゴン桜のオンライン授業を行う準備ができたのでしょう? その一番の理由は、以前から東亜学園がICT環境整備に力を入れてきたことにあります。すでに昨年から電子黒板機能つきのプロジェクターやWi-Fiが全教室に導入され、生徒には一人につき一台のタブレットが配付されています。そのタブレットで学習支援ツールを使用し、資料の共有や課題提出など、生徒一人ひとりにあった学習が進められることを目指してきました。

こうした背景もあり、東亜学園にはICT教育に関するノウハウが蓄積されていたのです。そのため臨時休校の決定後、オンライン授業の実施に向けた検討・準備を急ピッチで進めることができました。満開の桜が咲く、生徒のいない学校で準備は続き、5月上旬にHRやオンライン授業を開始できたのです。

リアルドラゴン桜のオンライン授業も、東亜学園の通常のオンライン授業が始まった一週間後に行うことができました。生徒は自宅からの参加で、授業を行う東大生の西岡壱成コーチはリクルートのオフィスから、そして今回サポートしてくれる東大生の布施川天馬コーチも自宅からの参加です。いま、できることを全力でやる。東亜学園の先生の熱意と関係者の努力によって、リアルドラゴン桜授業がいよいよスタートしました。

「あなたは勉強が好きですか?」

第一回の授業が始まりました。パソコンの画面には、30名の生徒の顔が並んでいます。すこし緊張した表情の生徒に向かって、西岡コーチはこう語りかけました。

「このプロジェクトは、みなさんの『未来』を広げるお手伝いをするものです。みなさんは特進コースなので、大学受験をすると思います。その時、自分が合格できる大学に行くのではなく、行きたい大学に行ってほしいのです。それによって自分の夢を実現したり、将来の可能性を広げたりしてほしい。そのために、東大生の僕たちがサポートしていきます」。

「しかし、単なる受験テクニックを教えたりはしません。『あなたは勉強が好きですか?』と東大生100人に聞くと、8割の人が勉強は好きだと答えました。東大生は、勉強の面白さや意義を知っているのです。僕もこの授業を通じて、本当の勉強の面白さを知ってもらいたいと思っています。そしてみずから学び、行きたい大学へ進み、社会に出てからも活躍できるようになってほしいのです」。西岡コーチの熱い言葉を聞いて、生徒たちの表情が引き締まりました。

「とはいえ、そう簡単に成績は上がらないと思っていませんか? 安心してください。自己紹介を兼ねて、僕の実話をお話したいと思います」。そう言うと、西岡コーチは一枚の紙をカメラの前に差し出しました。

「これは僕が高校3年生の時の、模試の成績表です。偏差値は35で、英語はなんと3点でした。この頃の僕は、勉強が嫌でたまりませんでした。どれだけ勉強しても成績が上がらないし、あきらめていたのです。しかしある先生に、『勉強は誰にでも平等で、裏切らない』と言われたのです。適切なやり方で勉強をすれば、かならず結果がついてくる。だからあきらめるなという趣旨でした」。

「こうして一念発起した僕は、2浪の末になんとか東大に合格しました。みなさんの中に、偏差値35を取ったことがある人はいないと思います。ここにいる誰よりも成績が悪かった僕でも、東大に合格できたのです。適切なやり方でみずから勉強すれば、必ず結果はついてきます」。

西岡コーチは体験談を交えて生徒たちを励まし、もっとも大切な勉強の意義を伝え続けます。熱いメッセージを受けた生徒たちの目は、輝きが増していきました。

「勉強をすると、世の中が見えてくる」

その後、授業はより具体的で実践的な内容へと進んでいきました。『勉強をすることで、世界が広がる』ことを、数多くの事例や問題で伝えていきます。

たとえば4つの時刻表を見て、どのような場所のものかを答える問題。本数や時刻の特徴から、成田空港の上海行きの航空便、東京郊外の住宅団地のバス停、地方都市の駅前のバス停、山間部の村のバス停を選びます。この問題は、実際に東大の地理で出題されたものです。この問題を例に、西岡コーチはこう語りました。

「東大をはじめとした国立大学では、知識を前提とした思考力を問われます。この時刻表の問題も、単なる暗記では正解することができません。身近な存在の時刻表ですが、よく考えるとそこには理由があるのです。朝焼けは雨で夕焼けは晴れになる理由は?シャッター通り商店街が増えているのはなぜか?・・・。勉強をすると、世の中のことが理解できるようになっていきます。勉強とはそもそも、身の回りのことを知るためにするものなのです」。

その後も、さまざまな題材や事例をもとに授業は続きました。西岡コーチが一貫して伝え続けたのは、『勉強は楽しいものであり、日常生活でも役に立つ。そして必ず、将来も役に立つ。そして勉強は裏切らない。だからこそ、自分から進んで勉強しよう』というものでした。

生徒からもコメントで、
「あらためて勉強の重要性を知ることができた」
「これから始まる高校での勉強に対する姿勢が、良い方向に変わったと思う」
といった、勉強の重要性を認識した前向きな言葉が数多く寄せられました。

これからの高校生活や勉強において、貴重なきっかけとなったのではないでしょうか。

インタビュー:西岡コーチの想い

初回授業の終了後、西岡コーチに感想を聞きました。

リアルドラゴン桜授業としては、初のオンライン授業でした。感想を聞かせてください。
---初の試みでしたので、始まる前は緊張していました。が、実際にやってみるとオンライン授業のデメリットよりも、メリットの多さに気がつくことができました。

具体的にはどのような点でしょう?
---生徒たちが積極的にコメントしてくれた点です。これは想像以上でした。過去の対面授業では、初回の授業で手を上げて意見を言う生徒はそう多くありませんでした。まだ恥ずかしさがあるからだと思います。しかしコメントだと、どんどん感想を言ってくれる。これは嬉しい誤算でしたね。

今日はすべての生徒がコメントで発信してくれました。
---そうですか!それは嬉しいですね。初回の授業は、オンライン授業の方が良いのではとさえ思います(笑)。休憩をこまめに入れるなど、オンライン授業ならではの改善点はありますが、よりブラッシュアップしていければと思います。

東亜学園の生徒についての感想は?
---とても真面目で前向きだという印象です。これはアンケートの回答を見てもよくわかります。初回は勉強の意義について話をしました。生徒たちは、これまでも勉強は大事だと言われてきたと思います。人によっては、またその話か・・・となる可能性もありますが、東亜学園の生徒は一人ひとりが自分の言葉で考えてくれました。こうした真面目さや素直さは、これからの勉強でとても大切になってきます。そういった面でも、これからの授業がとても楽しみですね。

無事に初回の授業を終えて安堵するとともに、東亜学園の生徒に対する大きな期待を胸にいだいた西岡コーチ。これからの授業も楽しみです。

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