リアルドラゴン桜プロジェクト

学校法人 須賀学園 宇都宮短期大学附属高等学校

Vol 02
2019.5.28
成績UPにもっとも重要なのは、
常に「なぜ?」と考えること

5月下旬、ついにリアルドラゴン桜プロジェクトの初回授業がはじまりました。この日も中高一貫コースと特別進学コースの1年生、110名が参加します。初回のテーマは「『なぜ?』を問う」。具体的な勉強に入る前に、いちばん大切な勉強に対する姿勢について学びます。西岡コーチによると、どの科目でも成績が上がるエッセンスが詰まっているとのことです。さっそく授業の様子をお伝えしましょう。

受験まで走り続けるためには、
一緒に頑張る友だちが必要なんだ

授業の冒頭で、西岡コーチはこう問いかけました。「みなさんは勉強の時給がいくらになるか知っていますか?」。突然の問いに、生徒たちはみな戸惑った様子です。「偏差値を5から10上げて1ランク上の大学へ行くためには、2000時間の勉強が必要だといわれています。そして1ランク上の大学を卒業すると、平均で年収が200万円上がるそうです。40年間勤めたとすると、年間200万円☓40年=8000万円の収入増となります。8000万円÷2000時間で、勉強をして得られる対価は時給4万円と計算できます。これはあくまでも机上の計算ですが、どうでしょう?やる気が少しは出た人もいるのではないでしょうか?」。数名の生徒が、「なるほど!」「おおっ!」と反応します。

次に西岡コーチはこう問いかけました。「別の質問をします。みなさんは友だちが多いですか?」。またしても、とまどう生徒たち。西岡コーチは続けます。「多くの東大に合格した人たちには、一緒に受験勉強をした友だちがいます。なぜなら長い受験勉強の間には、時にはやる気が起きなかったり自信を失ったりすることが必ず起きます。こうした時に、お互いに頑張ろうという友だちがいると踏ん張れるからです。みなさんはまだ1年生です。この先の受験勉強を一緒に励まし合い、競いあえる友だちをぜひ作ってください」。

「最初の『勉強の時給』の話を聞いて、モチベーションが上がった人もいるでしょう。しかし、それは『自分のため』であって一時的なものだと思います。人は『自分のため』の努力よりも、『お互いのため』、さらには『世の中のため』などの努力のほうが持続するのです」。

西岡コーチが授業の最初に語ったのは具体的な勉強法ではなく、勉強への基本的な取り組み方でもなく、勉強を『やり続ける』ために欠かせない『友だち』の存在についてでした。

『なぜ?』を考えると、
理解しやすく忘れにくい

次の授業は、基本的な勉強への取り組み方についてです。西岡コーチはこう語りました。「友だちと一緒に勉強を頑張っていくことが大切だという事は理解してもらえたと思います。では、その勉強をどのようにやっていくか? ここでもっとも大切な事をお話します。それは、『なぜ?』を問うということです。何かを覚えるときでも丸暗記をせず、『なぜ?』かを考え、理解するのです。そうすると、一時的に忘れていても関連する情報をもとに思い出すことも可能です。何も考えずに丸暗記をするのは、とてももったいない事をしているのです」。

「例をあげましょう。英単語のTERMの主な意味は次の4つです。期間・用語・関係・同意。意味がバラバラで、暗記をするのは面倒だな・・・と思う典型的なパターンです。でも『なぜ?』一つの単語に、ここまでバラバラに思える意味があるのかを考えると忘れないし、忘れたとしても思い出す可能性が出てきます。TERMの原義は『範囲の限定』です。つまり『時間を限定する』から『期間』、『意味を限定する』から『用語』・・・と、一見バラバラなものがつながるのです。しかもこのように『なぜ?』と考えていくと、応用もできます。たとえばバスターミナルのTERMINALはバスや鉄道の終着駅という意味です。ターミナルケアも、人生の最後の期間の医療。これでTERMから派生する単語の意味が理解できて、覚えられましたよね?」。

「このように『なぜ?』を問う姿勢で勉強をする時に、役に立つノートのとり方をお教えしましょう。二つの関連を矢印で結ぶのです。TERM→範囲の限定→期間・用語・関係・同意のように、『なぜ?』がわかるように矢印で結ぶと理解しやすいし忘れません。矢印がつながらない場合は、『なぜ?』と考え、調べるとつながるようになります。つまり、本質が理解できたということなのです。実際に東大生もこのようなノートのつけ方をしています」。

『なぜ』ペリーは1853年に
日本へ来たのでしょう?

『なぜ?』を問うという基本的な勉強への取り組み方を学んだあとは、実践編です。西岡コーチは問いかけました。「それでは実際にやってみましょう。みなさん、ペリー来航が1853年だということは知っていますよね。では『なぜ?』ペリーは1853年に日本へ来たのかわかりますか?」。

生徒たちが考える時間を設けたあとに、西岡コーチの解説がはじまりました。その解説は様々な面から考察したもので、たとえばアメリカの状況から考えるとフロンティア開拓で西海岸に到達したのが1848年でこれより前に日本へ来るのは不可能だったことや、ゴールドラッシュが1849年で西部に人が集まり、その後にいわゆる黒船を作って出港の準備ができた等の背景を説明していきます。またヨーロッパから見た場合にはクリミア戦争やアヘン戦争でイギリスやロシアが置かれた余裕がない状況を考えると、アメリカに優位性があったことを解説していきました。

「このように、なぜペリーが1853年に来航したのか、それはなぜアメリカだったのかの理由を理解できれば、関連したすべての出来事がつながります。繰り返しになりますがペリーの来航が1853年とただ暗記するのと、関連する情報をつなげて記憶するのとでは全く違う記憶量になるのです。みなさんにはこうした勉強をしてほしい。記憶は点ではなく、面で行なってください。みなさんは気がついているかどうかわかりませんが、ペリーの来航は日本史です。しかし、今お話した背景の情報は世界史です。入試改革で今後の試験は日本史の中で世界史を語るような、科目の横断が起こってきます。だから日本史と世界史をあわせ、背景を理解していないと横断した問題に答えられません。だからこそ、『なぜ?』が重要だということを理解してほしいと思います」。

こうして初回の授業は終わりました。すべての科目に通じる、もっとも大切な思考法を学んだ一日。参加した生徒たちの今後の勉強に、きっと役立つのではないでしょうか。